2019.11.22 Friday 12:39

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 12月

 

落葉・枯葉

踏んで欲しい落葉そうではない落葉 十生

空を見てときめいてゐ落ち葉かな 久子

その空白生かすのもよし落葉焚く 志津子

落葉掃く真っ青な空見るために たまき

吊り橋に遊行はじまる枯葉かな 敏子

踏まれゆく枯葉にもある自尊心 久子

 

冬の月

戦争を売る仕事あり冬の月 美智子

 

冬銀河

冬銀河この上もなき砂時計 十生

冬銀河記憶の抽斗開け閉める 節子

 

木枯

木枯一号沖がそんなに恋しいか 紀子

木枯らしやミニスカートの福の神 頓珍漢

凩の己が火種といふ意識 都

 

冬木・枯木

飾らるるほどに哀しくなる冬木 千鶴

裸木の周りが光らせてくれる 都

ほのぼのと少しさみしい枯木山 晃代

 

一位の実

星よりも土になりたき一位の実 波留美

 

花八ツ手

につぽんの背骨揺らぎぬ花八ツ手 波留美

花八ツ手人居ぬときは烟をり 紀子

あるがまま余生たのしむ花八ツ手 壽賀子

 

冬紅葉

いちにちの始めは呼吸冬紅葉 日織

 

山茶花

山茶花や背中合はせの間柄 珠江

山茶花やフランス人と読む漫画 伯子

 

大根

大根を漬ける頃来る薬売 野歩留

 

干し柿

干し柿や鍵をかけない山の家 忍

 

冬日向・日向ぼこ

削られて石は仏に冬日向 靖子

堂々と放下せしかな日向ぼこ


勤労感謝の日

眼鏡拭く紅絹や勤労感謝の日 千恵子

 

雪・雪女

降る雪に音なくてやや淋しかり 則子

包丁を正しく使ふ雪女 裕美

 

冬館ノートの作者不明の詩 裕美

ベランダに椅子は一脚冬来る 摩耶

きのふ立冬映画なら抱かれてる 伯子


紙漉

見えぬもの見つめてゐたる紙漉女 育子

 

着ぶくれ

着ぶくれて忘れ上手になりました 敏子

 

かいつぶり

水を脱ぐやうに浮かびぬかいつぶり ふさ江

 

「紫」2018年2月号(No.885)より

 

 

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「紫の会」

住所       〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33

TEL/FAX   048-251-7923

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2019.10.25 Friday 19:40

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 10月

 

みづからを閉ざせし鏡月あかり 波留美

月天心刃物のにほひよぎりけり 壽賀子

喪の家のあかりと月の照らしあう 美人

やはらかく背鰭をはづす無月かな 加津子

月光に没頭したる月光 富江

 

影が身を離れてゆきし霧の中 十生

霧を帯び水平線の綻びる ちゑ子

山霧を編んで私を繭にする 和美

空耳であろうか霧の走りだす 治子

 

草の花

影だけがまぐはひゐたる草の花 十生

待つことをすんなり受けし草の花 昭子

 

花野

思考力高める椅子を置く花野 澄子

肝心な話は避けてゐる花野 宣代


秋の空

秋天やくよくよしても爪伸びる せつ

秋高し空に密室自由席 友光

秋空に包囲されてる発射台 明子

 

天高し

目標は無理しないこと天高し 志津子

物生さぬままの十指や天高し 波留美

天高し上げたボールは落ちてくる 美智子

天高しここより入る獣道 ときみ

天高し人間相手辞めてみる 忍

 

靡かせて茎凛然として芒 浮葉

芒の穂雲をほぐして風を呼ぶ かほる

あるがまま生きて芒となりにけり 都詩

 

明月や光と影の鬩ぎあひ 良江

満月についてくるなと言ってある 加津子

モノクロのなんと饒舌月今宵 智恵

月白や会はねばならぬ人の数 雅人

煩悩は人の血肉か月天心 徳美


鰯雲

今答えださずとも良し鰯雲 都

体内に海の満ち来る鰯雲 留美子

一湾にみすかされたる鰯雲

 

露の玉唯一無二となる修業 まさる

白露の身に海鳴りの揺れ止まず 明未

 

コスモス

なるようになるさコスモス揺れるから まさる

一面のコスモス畑風立てり 史子

コスモスや海風を知らない体 裕美

コスモスの風となるまで搖らぎゐる ふさ江

秋桜遠くの富士を揺らしをり 留美子

 

鹿

鹿の声呑み込みながら潮満つる 靖子

 

秋の・・・

人間は強くて弱し秋深む 亜紀彦

与太の秋いのちの根っこ生まれたり 晴美

山頭火忌まだ空いたまま裏の家 陽子

秋風に磨きをかけるバイオリン 壽賀子

秋雨の音なき音に目覚めをり ふさ江

 

いのこづち

殿をつとめてをりぬゐのこづち 姜子

 

月と話す昼は静かに家に居て 則子

十六夜の糸が一本切れている 忍

明月や橋の真ん中まで歩く 洋子

月天心うみのおさかなよくねむる 和美

月の夜私の影をおくところ 敏子

 

小鳥来る

小鳥来るひとりぼっちといふ至福 ときみ

 

夜長

饅頭の割られて乾く夜長かな 裕美

長き夜や伸びた分だけ爪を切る 一美

音いつもどこかに生まる夜長かな 美代子

淋しさが押し寄せてくる夜長かな 政子

 

澄む

水澄や我を見てゐるもうひとり 明未

 

花すすき風を解体してゐたる 富江

ひとときを芒のやうになびくなり 久子

揺れぬ芒原広がる無声映画 葦

乳母車芒の波に沈みたる 麻奈

 

紙漉

まだ重き水の変身紙を漉く 珠江

白濁の水を漉きつつ紙とせり 千鶴

 

「紫」2018年1月号(No.884)より

 

 

 

 

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2019.09.27 Friday 16:32

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 9月

 

流れ星

先達の声でありしか流れ星     都

流れ星水の地球にも砂漠      智恵

流星や何かが終わる身の辺り    野歩留

 

星月夜

針の穴ひとつでありし星月夜    友光

電話切る瞬間が好き星月夜     珠江

 

銀河

夜の波銀河へのぼるにほひかな   みずほ

銀河の尾握り損なひまだ地上    亜紀彦

 

鰓呼吸していた頃の望の月     十生

池にいる月を見つめる月がある   美智子

エンディングノートを覗く後の月  都詩

 

月光

空き箱に月光溢れさせてをり    明未

勿体ないほどの月光湖の底     晴美

すっぴんで月の光を漕ぎに行く   葦

 

秋に入る

ようこそ秋準備体操できてます   治子

散文的な人生なんだもはや秋    友光

大縄飛び抜けた人から秋に入る   一美

 

秋深し

ため息をつくたび秋の深みゆく   宣代

戒名は他人の如し秋深し      明子

 

根性のそなはつてゐる露の玉    壽賀子

本当は蛻なのかも知れぬ露     壽子

非のなきが非の打ちどころ露の玉  千鶴

 

草の花

抱くごとく抱かれる如く草の花   十生

草の花見えざる風を見せてをり   伯子

とりあえず泣いて笑って草の花   徳美

 

曼珠沙華

月光を借りて密かに曼珠沙華    淳孝

曼珠沙華仮面付けてもはずしても  富江

衒ひなどなき一本の曼珠沙華    明日香

 

ひたすらに風を持ち上ぐ芒原    順

そのことに触れずに揺るる芒かな  久子

芒原靜に時の壊れゆく       かほる

 

猫じゃらし

揺れ止まぬこともまた意志ねこじゃらし 久子

相槌は確たる意見狗尾草      せつ

悩みなどなくて揺れてる猫じゃらし のぞみ

 

草の絮

無いやうに見えてある意思草の絮  宣代

忘却の地に落花する草の絮     文子

 

植物

金水引揺るがざりけり子規の庭   波留美

枝豆の一粒ずつの近江かな     洋子

花野から順番どおり来る便り    惠

 

秋うらら

秋うらら不随意筋を制御する    純也

秋うらら砂を入れたる手水鉢    礼以子

秋うらら妻がころころして困る   野歩留

 

宵闇

宵闇の何とも言へぬもどかしさ   政子

宵闇のジャッジはいつも自分なり  育子

宵闇のキャッシュコーナー三番目  敏子

 

水澄む

澄む水に髪膚投影杭でゐる     徳美

水澄むやかげはそれぞれかげをおふ みずほ

しばらくは無言のエール水澄めり  とし子

 

天高し

いづれ身も雫するもの天高し    紀子

大丈夫といふは言霊天高し     ときみ

秋天へこよなく過去を捨てにけり  澄子

 

鰯雲

まなうらの軌跡をたどる鰯雲    明日香

鰯雲あはせ鏡の奥の億       加津子

鰯雲海の中では家族葬       姜子

 

長き夜

居るだけでいい人と居る長き夜   美智子

繋がらぬ電話見つめし長き夜    たまき

 

蛇穴に入る

蛇穴に入りたくないけど入る    和美

三界に家なし蛇は穴に入る     千恵子

 

 

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2019.08.23 Friday 15:42

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 8月

 

花火

揚花火闇がだんだん澄んでくる   十生

長生きして囲いの中の遠花火    都詩

手花火や魔法の解ける音がする   晴美 

 

八月

八月や牛乳パックパックリ開ける  まさる

八・一五集まってくる遠い顔    紀子

八月や些細なことが気にかかる   みね子

 

水を打つ

わたくしも植物でした水を打つ   ときみ

正解の無き哲学や水を打つ     友光

水打ってこだわりひとつ捨てました 和美

 

みんみんやそうも力説されちゃうと 宣代

はじまりは透明な息蟬生るる    志津子

今朝もまた母ではじまる蝉時雨   良江

 

空蝉

空蝉の生きた証しの目玉かな    明日香

水の辺に水は語らず蝉の殻     とし子

空蝉の背より微かな波の音     みちこ

 

涼し

水底のごときやすらぎ月涼し    久子

決断の涼しき顔となりにけり    ふさ江

ホチキスの指に涼しき備忘録    珠江

 

水澄む

水澄むや傷つくことを怖れない   壽賀子

百万の味方となるか水の澄み    壽子

生も死も平行線か水澄めり     千鶴

 

(「紫」2018.11 No.894 より)

 

連絡先 *紫発行所・山十生

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