2020.01.24 Friday 15:41

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 1月

 

対面か隣か細雪しんしん           十生

能面の裏のくらやみ雪しんしん 加津子

雪に音なくてさみしき少女かな  則子

雪原の足あと百の物語             留美子

雪しんしん醤油の瓶がキュウと鳴く 晴美(K)

 

風花

風花のひとひらづつにありし音 十生

言伝は風花の舞ふ昼下がり     ときみ

風花を葬の極みと言ふべきか    徳美

よく揺れる富山電鉄風花す       邦子

 

夜空

厳然と山はありけり冬の月       泰子

遠ざかるもののいろいろ冬銀河 久子

決心と決意の狭間撞き冴ゆる    摩耶

らしくない言葉のゆくへ冬銀河 伯子

一村を浄めるごとく冬月光       和夫

 

潮満つる音を枕に山眠る   みずほ

忘れられるものみな忘れ山眠る 敏子

 

氷柱

楽天家ぶりを発揮の氷柱かな    十生

りんりんと光をみがく大氷柱   壽賀子

無となりて見じろぎもせず氷柱かな 公子

同道の青息吐息軒つらら      徳美

 

初氷とける悦びしりました  成美

迂闊にも策に嵌って氷りたり 和美

 

水仙

水仙の茎はもののふ日本海 波留美

靴音もかがやくものよ寒水仙 壽子

野水仙崖の上から見えぬ崖  智恵

 

風あらば風にもたれし枯尾花 かほる

丹田に力を込める冬田かな  美代子

除夜の鐘一撞きごとに軽くなる 史子

繁るより今はのびのび枯木立  麻奈

 

日向ぼこ

充分に生きた証しの日向ぼこ    瑠璃

日向ぼこあの世は混んでいるそうな 博子

もう人に戻らぬつもり日向ぼこ   伯子

 

初日

水平線をぶち切ったる初日 まさる

万物に無言のエール初日の出 一美

全員の揃ふを待ってゐる初日 宣代

両の手に平に降りる初日かな 明未

 

新年

初富士や空の丹田かもしれず 明未

一族で最年長となる今年  礼以子

思いもよらぬ私がそこに初鏡 友光

大らかに重なりあえば鏡餅 加津子

医学部の匂ひの中の鏡餅  野歩留

颯爽とお年始のごと診察台 志津子

 

七草

七草や水の音さへうすみどり 富江

七草や元は他人の半世紀   宣代

 

体にも潮の満ち干や寒の入り 紀子

ひと言は単刀直入寒の水   都詩

 

話し手と聞き手は互角鶴の舞    都

人間をさらりと捨てて鶴となる 明日香

梟に聞いてそれから人に聞く  千恵子

 

暮らし

風癒えず妻はをろちと睦をり   雅人

みんな風邪だね星拾へさうな眼で 裕美

短日の割りには一日の長し    和夫

目くばせを忘れているか雪女   空間

動かぬは考えへてゐる凧     紀子

 

いたづらのやうにおでんの結び昆布 裕美

あれとそれ二人は承知みかんむく  三恵

ふつふつとご飯炊く音春隣    美智子

まだ彼に言えない話冬いちご   晴美(F)

若干のジェラシーはある干大根  みちこ

 

「紫」2018年4月号(No.887)より

 

 

 

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2019.12.27 Friday 14:06

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 12月

 

 

狐火

狐火の独壇場の山路かな 十生

狐火もまざる太鼓の渦の中 ときみ

狐の提灯挙りて京を目指すなり 智恵

 

自由からの逃走計る空っ風 洋子

廃屋に住み着き自由隙間風 文子

 

憂国忌

背鱗鋭き魚遡り来る憂国忌 波留美

 

祈りながらひれ伏している雪・雪 晃代

斎戒沐浴には欠かせない風花 十生

意のままにならぬ血筋や雪になる 晴美(下)

 

凍る

不動心つらぬき通し瀧冱つる 壽賀子

流氷の声聞く人を消したまま ちゑ子

天と地をつなぐ氷柱の痛みまで 美人

思いっきり贅を尽くして凍つる滝 徳美

 

霜柱

いつだって今がしほどき霜柱 徳美

霜柱どこかで戦はじまれり 久子

朝ドラは良い人ばかり霜柱 和夫

 

寒月に身を委ねたる阿修羅かな 壽賀子

厳然と山はありけり冬の月 泰子

冬満月忘るるために浴びてゐる 久子

寒月光背に突きささる一本道

際立つは要白の白寒月光 明未

寒月光見取り図にある母の部屋 明未

寒満月歩めば歩む万歩計 野歩留

 

動線を変へてみやうかセーター赤し 成美

笑いから始まる空気毛糸玉 成美

寝静まる冬近き夜の息づかひ 瑠璃

結末はどんでん返しおでん鍋 博子

冬の朝女偏から出た本音 晴美

頼りない正義が好きだ日向ぼこ 摩耶

とこしへに一つ年上レノンの忌 伯子

弱音出そう赤いコートを着て行こう 寿江

冬眠のだんだん透けてゆくからだ 和美

それでいてときに狼めく人だ 千鶴

熱燗やまだ彼のひとを許し得ず 浮葉

 

息白し

只管打坐無言の息の白きこと 智恵

息白し振り返るには近すぎて ふさ江

息白し否定をしてもしなくても 伯子

 

十二月

十二月八日鍋の取っ手に緩み 宣代

十二月八日地下街の迷路 美智子

荷車の太き心棒十二月 育子

数え日や鱗一枚づつ捨てる 壽賀子

 

冬銀河一糸乱れぬ水の面 とし子

人体に宇宙のリズム流れ星 留美子

呼吸にもかたちのありぬ冬銀河 富江

戦争は遠くて近き冬銀河 美智子

冬銀河いい人ばかり先に逝く 千種

最高のおもてなしです冬銀河 空間

この嘘の時候は十年冬銀河 摩耶

美しき冬銀河にも野心あり 政子

 

山眠る

ふところに火を宿しつつ山眠る 壽賀子

それとなく極む煩悩山眠る とし子

別歳の失敗譚にはじまれり 雅人

化石抱き海の記憶の山眠る 明日香

山眠る息たをやかに吹きガラス 美代子

 

 

動物

凍鶴や朝日足元より昇る 公子

寒鯉や手に入れられぬものの美し 亜紀彦

蛇眠るときには呼吸を整へる 十生

やすらぎの距離のそれぞれ浮寝鳥 紀子

 

刈田から大空までのがらんどう せつ

今ちょうど橋の真ん中寒落暉 千恵子

枯蓮支へどころに折れどころ みずほ

戦わぬことも戦いです枯野 壽子

ベンチまるで柩の長さ冬日向 紀子

冬天の深さ手足を奪ひをり 史子

 

裸木が風の刃を研いでいる 杏華

支へ合ふ力崩さぬ冬木立 留美子

血管も筋肉もあり冬木の芽 富江

透けるまで逆光浴びる裸の木 美智子

一筆を核廃絶に冬木の芽 空間

悲観せず楽観もせず冬木立 一美

 

悪くないとは肯定否定冬薔薇 葦

どう生きるかと抱きよせるシクラメン ときみ

シクラメン闇の深さを知っている 都詩

このタイミング逃さぬポインセチア 姜子

ポインセチア火種はいつでも発火する ときみ

即答をやんはりさける石蕗の花 ふじ子

石蕗の花母を育てる嬰の声 洋子(小)

 

柚子あかり程度に期するもののあり 都

見る人が決める正面ラ・フランス 都詩

この空は決して離さぬ吊し柿 瑠璃

素通りの出来ぬ山門藪柑子 昭子

吊し柿半生といふ完熟度 留美子

 

雪女

朝食はほとんど和食雪女 則子

 

「紫」2018年3月号(No.886)より

 

 

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2019.11.22 Friday 12:39

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 11月

 

踏んで欲しい落葉そうではない落葉 十生

空を見てときめいてゐ落ち葉かな  久子

その空白生かすのもよし落葉焚く  志津子

落葉掃く真っ青な空見るために   たまき

吊り橋に遊行はじまる枯葉かな   敏子

踏まれゆく枯葉にもある自尊心   久子

いちにちの始めは呼吸冬紅葉    日織

 

天文

根を深く張るため月の光浴ぶ   まさる

戦争を売る仕事あり冬の月    美智子

冬銀河この上もなき砂時計    十生

冬銀河記憶の抽斗開け閉める   節子

共感はいらない私だけの月    和美

月天心恙無き日を糧とせむ    澄子

十三夜とどかぬものは美しい   久子

足の先より冷えてくる銀河系   美智子

 

気象

いっしょには死ねない人と野分中 加津子

あたたかな霧だから泣いても平気 和美

芋の露地球転がす力あり     明日香

 

そっと来てそっと抜け出す秋の風 かほる

木枯一号沖がそんなに恋しいか  紀子

木枯らしやミニスカートの福の神 頓珍漢

凩の己が火種といふ意識     都

木枯やにはかにあたふたあたふた 宣代

竜宮の使い色なき風に乗る    晴美     

 

飾らるるほどに哀しくなる冬木 千鶴

裸木の周りが光らせてくれる  都

ほのぼのと少しさみしい枯木山 晃代


不揃ひといふ心地よさ秋桜    ときみ

につぽんの背骨揺らぎぬ花八ツ手 波留美

花八ツ手人居ぬときは烟をり   紀子

あるがまま余生たのしむ花八ツ手 壽賀子

山茶花や背中合はせの間柄    珠江

山茶花やフランス人と読む漫画  伯子  

山茶花や背中合はせの間柄    珠江

 

植物

星よりも土になりたき一位の実   波留美

りんご受く水のかたまり受くやうに 加津子

秋草を分けて都を探しをり     富江

染まるのも散るのも一途草紅葉   昭子

さりげなく風の存問露見草     とし子

 

冬日向・日向ぼこ

削られて石は仏に冬日向   靖子

堂々と放下せしかな日向ぼこ 壽賀子


雪・雪女

降る雪に音なくてやや淋しかり 則子

包丁を正しく使ふ雪女     裕美

 

冬館ノートの作者不明の詩   裕美 

ベランダに椅子は一脚冬来る  摩耶

きのふ立冬映画なら抱かれてる 伯子

冬めくや地蔵にマッチする時間 多美子


くらし

見えぬもの見つめてゐたる紙漉女 育子

着ぶくれて忘れ上手になりました 敏子

眼鏡拭く紅絹や勤労感謝の日   千恵子

大根を漬ける頃来る薬売     野歩留

干し柿や鍵をかけない山の家   忍

一端を知っているだけ長き夜   都

娶らせ稲刈り終へて漢逝く    雅人

かつがれて笑って歩む大熊出   登代子

他人にはあんなふうなの月見酒  留美子

海老天丼跳ねる尾頭文化の日   一美

炊き立ての新米の艶たまご割る  良江

 

いきもの

水を脱ぐやうに浮かびぬかいつぶり ふさ江

神おはす山ふところに秋の蛇    ときみ

それなりの作法あるらし穴まどひ  雅人

赤とんぼ一人ぼっちに寄ってくる  千恵子

 

 

「紫」2018年2月号(No.885)より

 

 

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2019.10.25 Friday 19:40

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 10月

 

みづからを閉ざせし鏡月あかり 波留美

月天心刃物のにほひよぎりけり 壽賀子

喪の家のあかりと月の照らしあう 美人

やはらかく背鰭をはづす無月かな 加津子

月光に没頭したる月光 富江

 

影が身を離れてゆきし霧の中 十生

霧を帯び水平線の綻びる ちゑ子

山霧を編んで私を繭にする 和美

空耳であろうか霧の走りだす 治子

 

草の花

影だけがまぐはひゐたる草の花 十生

待つことをすんなり受けし草の花 昭子

 

花野

思考力高める椅子を置く花野 澄子

肝心な話は避けてゐる花野 宣代


秋の空

秋天やくよくよしても爪伸びる せつ

秋高し空に密室自由席 友光

秋空に包囲されてる発射台 明子

 

天高し

目標は無理しないこと天高し 志津子

物生さぬままの十指や天高し 波留美

天高し上げたボールは落ちてくる 美智子

天高しここより入る獣道 ときみ

天高し人間相手辞めてみる 忍

 

靡かせて茎凛然として芒 浮葉

芒の穂雲をほぐして風を呼ぶ かほる

あるがまま生きて芒となりにけり 都詩

 

明月や光と影の鬩ぎあひ 良江

満月についてくるなと言ってある 加津子

モノクロのなんと饒舌月今宵 智恵

月白や会はねばならぬ人の数 雅人

煩悩は人の血肉か月天心 徳美


鰯雲

今答えださずとも良し鰯雲 都

体内に海の満ち来る鰯雲 留美子

一湾にみすかされたる鰯雲

 

露の玉唯一無二となる修業 まさる

白露の身に海鳴りの揺れ止まず 明未

 

コスモス

なるようになるさコスモス揺れるから まさる

一面のコスモス畑風立てり 史子

コスモスや海風を知らない体 裕美

コスモスの風となるまで搖らぎゐる ふさ江

秋桜遠くの富士を揺らしをり 留美子

 

鹿

鹿の声呑み込みながら潮満つる 靖子

 

秋の・・・

人間は強くて弱し秋深む 亜紀彦

与太の秋いのちの根っこ生まれたり 晴美

山頭火忌まだ空いたまま裏の家 陽子

秋風に磨きをかけるバイオリン 壽賀子

秋雨の音なき音に目覚めをり ふさ江

 

いのこづち

殿をつとめてをりぬゐのこづち 姜子

 

月と話す昼は静かに家に居て 則子

十六夜の糸が一本切れている 忍

明月や橋の真ん中まで歩く 洋子

月天心うみのおさかなよくねむる 和美

月の夜私の影をおくところ 敏子

 

小鳥来る

小鳥来るひとりぼっちといふ至福 ときみ

 

夜長

饅頭の割られて乾く夜長かな 裕美

長き夜や伸びた分だけ爪を切る 一美

音いつもどこかに生まる夜長かな 美代子

淋しさが押し寄せてくる夜長かな 政子

 

澄む

水澄や我を見てゐるもうひとり 明未

 

花すすき風を解体してゐたる 富江

ひとときを芒のやうになびくなり 久子

揺れぬ芒原広がる無声映画 葦

乳母車芒の波に沈みたる 麻奈

 

紙漉

まだ重き水の変身紙を漉く 珠江

白濁の水を漉きつつ紙とせり 千鶴

 

「紫」2018年1月号(No.884)より

 

 

 

 

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2019.09.27 Friday 16:32

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 9月

 

流れ星

先達の声でありしか流れ星     都

流れ星水の地球にも砂漠      智恵

流星や何かが終わる身の辺り    野歩留

 

星月夜

針の穴ひとつでありし星月夜    友光

電話切る瞬間が好き星月夜     珠江

 

銀河

夜の波銀河へのぼるにほひかな   みずほ

銀河の尾握り損なひまだ地上    亜紀彦

 

鰓呼吸していた頃の望の月     十生

池にいる月を見つめる月がある   美智子

エンディングノートを覗く後の月  都詩

 

月光

空き箱に月光溢れさせてをり    明未

勿体ないほどの月光湖の底     晴美

すっぴんで月の光を漕ぎに行く   葦

 

秋に入る

ようこそ秋準備体操できてます   治子

散文的な人生なんだもはや秋    友光

大縄飛び抜けた人から秋に入る   一美

 

秋深し

ため息をつくたび秋の深みゆく   宣代

戒名は他人の如し秋深し      明子

 

根性のそなはつてゐる露の玉    壽賀子

本当は蛻なのかも知れぬ露     壽子

非のなきが非の打ちどころ露の玉  千鶴

 

草の花

抱くごとく抱かれる如く草の花   十生

草の花見えざる風を見せてをり   伯子

とりあえず泣いて笑って草の花   徳美

 

曼珠沙華

月光を借りて密かに曼珠沙華    淳孝

曼珠沙華仮面付けてもはずしても  富江

衒ひなどなき一本の曼珠沙華    明日香

 

ひたすらに風を持ち上ぐ芒原    順

そのことに触れずに揺るる芒かな  久子

芒原靜に時の壊れゆく       かほる

 

猫じゃらし

揺れ止まぬこともまた意志ねこじゃらし 久子

相槌は確たる意見狗尾草      せつ

悩みなどなくて揺れてる猫じゃらし のぞみ

 

草の絮

無いやうに見えてある意思草の絮  宣代

忘却の地に落花する草の絮     文子

 

植物

金水引揺るがざりけり子規の庭   波留美

枝豆の一粒ずつの近江かな     洋子

花野から順番どおり来る便り    惠

 

秋うらら

秋うらら不随意筋を制御する    純也

秋うらら砂を入れたる手水鉢    礼以子

秋うらら妻がころころして困る   野歩留

 

宵闇

宵闇の何とも言へぬもどかしさ   政子

宵闇のジャッジはいつも自分なり  育子

宵闇のキャッシュコーナー三番目  敏子

 

水澄む

澄む水に髪膚投影杭でゐる     徳美

水澄むやかげはそれぞれかげをおふ みずほ

しばらくは無言のエール水澄めり  とし子

 

天高し

いづれ身も雫するもの天高し    紀子

大丈夫といふは言霊天高し     ときみ

秋天へこよなく過去を捨てにけり  澄子

 

鰯雲

まなうらの軌跡をたどる鰯雲    明日香

鰯雲あはせ鏡の奥の億       加津子

鰯雲海の中では家族葬       姜子

 

長き夜

居るだけでいい人と居る長き夜   美智子

繋がらぬ電話見つめし長き夜    たまき

 

蛇穴に入る

蛇穴に入りたくないけど入る    和美

三界に家なし蛇は穴に入る     千恵子

 

 

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2019.08.23 Friday 15:42

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 8月

 

花火

揚花火闇がだんだん澄んでくる   十生

長生きして囲いの中の遠花火    都詩

手花火や魔法の解ける音がする   晴美 

 

八月

八月や牛乳パックパックリ開ける  まさる

八・一五集まってくる遠い顔    紀子

八月や些細なことが気にかかる   みね子

 

水を打つ

わたくしも植物でした水を打つ   ときみ

正解の無き哲学や水を打つ     友光

水打ってこだわりひとつ捨てました 和美

 

みんみんやそうも力説されちゃうと 宣代

はじまりは透明な息蟬生るる    志津子

今朝もまた母ではじまる蝉時雨   良江

 

空蝉

空蝉の生きた証しの目玉かな    明日香

水の辺に水は語らず蝉の殻     とし子

空蝉の背より微かな波の音     みちこ

 

涼し

水底のごときやすらぎ月涼し    久子

決断の涼しき顔となりにけり    ふさ江

ホチキスの指に涼しき備忘録    珠江

 

水澄む

水澄むや傷つくことを怖れない   壽賀子

百万の味方となるか水の澄み    壽子

生も死も平行線か水澄めり     千鶴

 

(「紫」2018.11 No.894 より)

 

連絡先 *紫発行所・山十生

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