仮名遣いについて
仮名遣いには大きく分けて「歴史的仮名遣い(旧仮名)」と
「現代仮名遣い(新仮名)」があります。
「俳句は韻文だから旧仮名しか認めない」という方もいれば、
「現代に暮らす中で作句するのだから新仮名でよい」という意見、
結社や作家それぞれの考え方があるようです。
ただ一般的には、旧仮名なら旧仮名、新仮名なら新仮名と
固定して作句することが多いようです。
「紫」は作家の個性を尊重して仮名遣いの強要を行いません。
ですから旧仮名派の人も新仮名派の人も自分のスタイルで作品を作っています。
また、個々の作品と真剣に向き合い、よりふさわしい表現を得るため、
作品ごとの使い分けも容認しています。
当然一句の中での混在は許されるものではありませんが、
一句を成す上で「てにをは」に悩むのと同様に、
仮名遣いについてもどちらがより作品を高め、深めるか、
表現に対しては常に心を砕いています。
新旧の使い分けはともするとどちらかに固定するよりも
間違えるリスクは多くなってしまいます。
使い分けをしていると「どちらかに決めてしまえば悩むことも減り楽なのに…」と
思うときもありますが、それでも「譲れない表現」「納得のいく表現」のためには
肝を据えて研鑽を積むほかに道はありません。
結局選ぶのは自分自身ですから。