2015.11.17 Tuesday 11:18

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」3

 

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」(3) 若林波留美

 

〈動詞の活用◆
 前回「ア行・ハ行・ヤ行・ワ行活用」で、「い・う・え」と発音される部分の使い分けが大切、と書きました。
 今回は先ず、語例の多いハ行活用とヤ行活用を説明します。
ハ行活用 終止形が「ふ」となる
 ハ行活用の語の多くは四段活用(は・ひ・ふ・ふ・へ・へ・と活用ー前回の活用表参照)で、語例は数多くあります。
 例えば、「会ふ・言ふ・思ふ・買ふ・恋ふ・慕ふ・吸ふ・添ふ」など、思いつくままにサ行まで拾っても、これほどありました。全体では、数え切れないほどあるでしょう。
ヤ行活用 終止形が「ゆ」となる
 ヤ行活用の語は、ハ行活用の語より少なく、次のような語があります。
 上二段活用 老ゆ・悔ゆ・報ゆ(三語のみ)
 下二段活用 覚ゆ・消ゆ・超ゆ・冴ゆ・聳ゆ・絶ゆ・映(は)ゆ
       冷ゆ・増ゆ・見ゆ・燃ゆ・萌ゆ など他数語
 ハ行活用とヤ行活用の見分け方は、終止形を思い浮かべ、終止形が「ふ」(発音は「う」)となればハ行、「ゆ」となればヤ行です。(例えば、消う・見う、とは発音しない。)
 前回の「まとめ」で示したように、例外とされる数少ない語の方を覚えるのが得策で、終止形が「ゆ」となれば、「ひ」「へ」は使わない、と覚えて下さい。
 ヤ行の仮名(やいゆえよ)は、「い・え」がア行と同じ字体ですが、活用の上ではヤ行の仮名があると思って下さい。
 老ゆ・悔ゆ・報ゆ、の語は、連用形(名詞化した時も)が「い」となります。この三語は、「老いを悔いても報いなし」と覚えたらいかがでしょうか。(老いを楽しみましょう。)
 前の行にある「覚え」や、消ゆ・超ゆ・見ゆ、などの語の連用形は「え」となります。「へ」とはなりません。
 ここで、一番紛らわしいと思う語の例を挙げます。
 耐ふ ー ハ行活用 へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ と活用
 絶ゆ ー ヤ行活用 え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ と活用
 この二語は、語幹が同じ「た」の音なので、特に注意が必要です。我慢する方の「耐へ」はハ行活用で、ヤ行の「絶え」と区別するため、「耐へ」の方を「歯(ハ)を食いしばって我慢する ー ハ行」と覚えるよう薦めています。
 また「絶ゆ」の方は、他動詞が「絶やす」であり、同じヤ行の仲間ということが判ります。他にも「冷やす・増やす・燃やす」など、他動詞からヤ行と推測できます。
ア行活用 「得(う)」の一語のみ(複合語「心得」を含め二語)
 活用は「え・え・う・うる・うれ・えよ」となります。
ワ行活用 
「植う・飢う・据う」の語は、終止形が「う」となり、連用形が「ゑ」となります。三語のみなので、覚えて下さい。
 「居(ゐ)る・率(ゐ)る・率(ひき)ゐる・用ゐる」は、終止形が「ゐる」となり、連用形が「ゐ」となります。(「用ゐる」は、本来はワ行活用ですが、後世ハ行・ヤ行にも誤用されました。)
(「紫」2008年11月号より転載) 
冬の虹

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