2016.02.09 Tuesday 11:22

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」5

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」(5) 若林波留美

〈「ず」と「づ」の使い分け〉
 古くは発音の違いがあったものと思いますが、江戸時代以降、違いが判らなくなったと言われる音に「じ」と「ぢ」・「ず」「づ」があります。「じ・ぢ・ず・づ」の仮名を纏めて、「四つ仮名」と称んでいます。
 現代仮名遣いでは、この使い分けに規則性が見られなくなりましたが、「旧仮名遣ひ」では、規則性が保たれており、語源につながるようになっています。
 今回は、「ず」と「づ」の使い分けについて取り上げ、次回に「じ」と「ぢ」の使い分けを取り上げます。

◎否定形(打消しの助動詞)は「ず」と書く。

 例: せず・出(いで)ず・問はず・向う見ず

 否定を表すのが「ず」であることは、必ず覚えて下さい。
 特に「出(い)でず」の語は、文語表現の場合「で」を省略することもあり、「出(い)づ」は「出る」・「出(いで)ず」は「出ない」の意味になります。現代仮名遣いでは「出づ」が「出(い)ず」となり、出るのか否か判らなくなりました。「地虫出ず」と書かれたのでは、地虫も出るに出られず困ることでしょう。


◎連濁による「ず」と「づ」

 連濁とは、二つの音が熟語として一語になったとき、下の語の初めの清音が濁音となることで、例えば「三日月」の「つき」が「づき」になるようなことを言います。連濁の場合は、元の清音の語に応じて、それが「す」なら「ず」、「つ」なら「づ」になります。迷ったら元の語に戻して下さい。

○連濁による「ず」の例
 きぬずれ(衣+擦れ)・すずり(墨+磨り)・ゆきずり(行き+摺り)・こずゑ(木(こ)+末)・いしずゑ(石+据ゑ)

○連濁による「づ」の例
 みちづれ(道+連れ)・ぬかづく(額(ぬか)+突く)・いなづま(稲+妻)・あひづち(相+槌)・いそづり(磯+釣)


◎ダ行活用の語は(「ぢ」)「づ」と書く。
 
 出づ・・・「で・で・づ・づる・づれ・でよ」と活用。
 「撫づ・愛(め)づ」も同様

 恥づ・・・「ぢ・ぢ・づ・づる・づれ・ぢよ」と活用。
 「怖(お)づ・閉づ・綴(と)づ・攀づ」も同様。


◎ザ行活用の語は「ず」と書く。

 爆(は)ず・・・「ぜ・ぜ・ず・ずる・ずれ・ぜよ」と活用。
 「弾(は)ず(弾ぜる)・混(ま)ず(混ぜる)」もザ行活用。


◎その他の「ず」と「づ」を用いる語では、「づ」と書く語の方が多い。従って「ず」と書く語の方に注意して下さい。

○「ず」と書く例
 かず(数)・かならず(必)・きず(傷)・くず(葛)・すず(鈴)・すずしい(涼)・ずつと・ずれる・たたずむ(佇)・はず(筈)・はずむ(弾)・みみず(蚯蚓)

○「づ」と書く主な例
 あづける(預)・いたづら(徒・悪戯)・いづみ(泉)・いづれ・くづ(屑)・くづれる(崩)・しづか(静)・ひとつづつ・まづ(先)・みづ(水)・みづから・ゆづる(譲)

(「紫」2009年1月号より転載) 

花やつで

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