2016.06.24 Friday 11:26

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」9

作句のための 抜書き「旧仮名遣ひ」(9) 若林波留美
〈仮名書きの例が多い語の仮名遣い〉

 
 前回まではテーマを設け、それに従って書いて来ました。今回は拾遺篇として、仮名書きすることが多い語の仮名遣いを採り上げます。

◎「かう」「さう」「どう」「もう」

・「かうして」「かう言ふ」などの「かう」は「かくして」「かく言ふ」の音便です。(×「こう」「こふ」「かふ」)

 
・「さうして」などの「さう」は「然(さ)して」の延音です。漢文訓読調の文に使われる「然(さ)なり」(さうだ)と同じ語源です。

 
・「楽しさう」などの「さう」は相(さう)の字音仮名遣いです。相は、人相・世相などのように姿・様子の意味を表します。

 
・「どうして」などの「どう」は「どこ・どれ」と同じ仲間の語です。前の二語につられ「だう」と書かないように。

 
・「もうぢき」などの「もう」は、「まう」とする説もありますが、「もう」が正しいとの説もあり、決め兼ねます。

 
◎「つい」「ついで」「つひに」

 「ついうつかり」の「つい」は「突き」の音便、「ついでの折に」の「ついで」は「つぎて」の音便で「い」と書きます。
 「つひに実る」などの「つひに」は「終(つひ)の栖」などと同じ「終」の訓読で、「ひ」を用います。

 
◎その他、よく用いる語の例

 次のような語は、使い慣れることにより覚えて下さい。

 
「あへて」あへて〜せず
「あるいは」「あるひは」は後世の誤用
「くらゐ」どのくらゐ
「さへ」こどもでさへ
「せゐ」〜のせゐで
「なほ」なほさら・なほ〜して
「はう」その方が良いー字音仮名遣い
「ひとへに」ひとへに願ふ
「ゆゑ」なにゆゑ・ゆゑに〜なる
「わづか」わづか数人

 
この連載は、次回で終わります。最終回は復習を兼ね、今までの内容を「旧仮名遣ひ歌留多」とし、五十音順に載せようと思います。

 
(「紫」2009年5月号より転載) 

 
アガパンサス

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