2015.11.09 Monday 11:19

第46回埼玉文学賞 俳句部門受賞作品

2015年10月30日(金)、「彩の国・埼玉りそな銀行第46回埼玉文学賞」が発表され、「紫」無門集同人・浅野都さんが準賞を受賞されました。今回俳句部門では53編の応募があり、そのうち2作品が正賞なしの準賞となりました。授賞式は11月5日、さいたま市の「ラフレさいたま」で行われました。

受賞作品

夕焼け     浅野都

ホネオリゾンとなるかもしれない汗
大西日むかうに誰かゐるやうな
道行きと決めし人をり大西日
相愛である夕焼けと水平線
対岸は遠く及ばず戻る蛇
人が手を介せば蝉のまた飛べり
遠雷や頼みの綱が見つからぬ
定まらぬ域であるらし水を打つ
退く時のことも考ふ大花火
某日の大夕焼けが決め処
秋立つや適ふかぎりの石畳
夜の秋語り合ひゐる疼かな
石垣を今に残せし青蜥蜴
城あらば天守閣まで涼新た
秋暑し糸の通らぬ針の穴
本質を見抜けぬままの赤とんぼ
敷石の色なき風と香木と
濁り酒すなほな頃にはない揺らぎ
銀漢の溢るる零れ話かな
未来世の銀河界隈繁忙期

夕日




椏苑(あえん)にて    時田幻椏(げんあ)

椏苑在り誰が焚くかや春の香(こう)
梅ふふむ乳房真白く嬰児(こ)は赤く
蹉跌はあの青鮫の嗟嘆や臥竜梅
熊谷椿寄居て熾烈なる命
牡丹の重き蕾の腕にふれ
水撒けば水の香に寄る黒揚羽
初夏の槻の木下の椅子五脚
はじめ皆くさ色みどり花も実も
軽(かろ)き蚊に空気は重く打てば飛ぶ
かわほりの天まで昇る気配なし
億年の表敬蜥蜴我(あ)を身上ぐ
唖蝉の暗に降り初む尿(しと)と雨
雨に濡れ虫濡れて鳴く音(ね)の濡れてをり
台風一過一濁も無し月も夜も
一つ地にゐて荒草の花けふの貌
自分時(じぶんどき)渋の熟柿に鳥の寄る
生き暮れて捨て置く庭に福寿草
薄き雪陽を待たずして風に消ゆ
白タイル寒に乾きし鳥の糞
裸木を眺めて剪定思案せり


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