2017.01.24 Tuesday 10:14

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第6回 「金子兜太」

 

鳥海美智子

 

 水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る

 

 銀行員等(ら)朝から蛍光す烏賊のごとく

 

 湾曲し火傷し爆心地のマラソン

 

 手術後の医師白鳥となる夜の丘

 

 どれも口美し晩夏のジャズ一団

 

 三日月がめそめそといる米の飯

 

 人体冷えて東北白い花盛り

 

 暗黒や関東平野に火事一つ

 

 梅咲いて庭中(にわじゅう)に青鮫が来ている

 

 冬眠の蝮の他は寝息なし

 

 平成28年の流行語大賞は「神ってる」であった。

プロ野球広島カープの事らしいが、私が最初に浮かんだのは

「金子兜太」である。兜太ほど「神ってる」人はいない。

それも高いところに祀られている神ではなく、

野山を駆け巡り庶民の目線で平和を願う、人間くさく、

肉感的な日本古来の神である。

「海程」同人安西篤が兜太の魅力を具体的に説明しているので

それを引用する。

 

 『知性や人柄というよりは感受性や気分、風土の面白さに向かう。

  むしろ兜太自身が人間を面白がっている面が多分にある。

  指導するというより楽しんでいる。兜太の指導する句会や

  教室が常に活気があり楽しい雰囲気に包まれている理由は

  そこにある。

   歌人の佐佐木幸綱は、その名手ぶりの秘密を

  「頭脳ではなく〈肉体〉で認識し、思考している感じが

   こちらにびんびんと伝わって来る」という。』

 

 「頭脳」でなく「肉体」で認識し、思考している事が私には

「神ってる」と思えるのかも知れないが、言葉では語り尽くせない

「神がかり」的なものを兜太の俳句・講演・対談から感じる。

 

(「紫」無門集同人)

 

上棟

 

 

 

 

 


Comment:
Add a comment:









Trackback:
トラックバック機能は終了しました。
 
CALENDAR
NEW ENTRY
ARCHIVES
CATEGORY
COMMENT
PROFILE
MOBILE
LINK
RECOMMEND
SEARCH
OTHER

(C) 2020 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.