2017.05.22 Monday 11:46

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第10回 「鈴木真砂女」

 

鳥海美智子

 

 羅や人悲します恋をして   真砂女  

 

 俳句でドキッとしたのはこの句が初めてであった。

真砂女は明治39年生まれ。23才で結婚したが夫の失踪により

千葉の実家(鴨川グランドホテル)に戻る。

昭和10年、長姉が4児を残し33才で急逝。

父母の願いで義兄と結婚し、姉が俳人であったので

その縁で俳句を始め、海軍士官と恋に落ちる。

掲句は昭和29年の作。昭和32年身ひとつで実家を去り、

銀座1丁目で小料理「卯波」を開店する。

 

 すみれ野に罪あるごとく来て二人

 

 白桃に人刺すごとく刃を入れて

 

 夏帯や一途と言ふは美しく

 

 人は盗めどものは盗まず簾巻く

 

 かくれ喪にあやめは花を落しけり

 

 鍋物に火のまはり来し時雨かな

 

 今生のいまが倖せ衣被

 

 死なうかと囁かれしは蛍の夜

 

 戒名は真砂女でよろし紫木蓮

 

 

 平明で親しみやすい句でありながら、人生の背景が

はっきりと詠み込まれている。私の目標とする俳人である。

平成15年3月14日逝去。享年96才であった。

 

(「紫」無門集同人)

 

杜若

 

 

 

 

 

 


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