2017.11.29 Wednesday 20:44

第48回埼玉文学賞 受賞作品 

第48回埼玉文学賞 

俳句部門 準賞受賞作品

風のひとひら

山崎加津子

風鈴になるまで風鈴聞いてをり

迷ふのはいつも書き出し葛の花

新涼やがんばらなくていい時計

秋が来るらしい二列に並びませう

天高し東京を出るはかりごと

ひとひらの風になりたる秋桜

雁渡し水輪のびのびのびのびと

風力3何になりたい赤とんぼ

踵からしつかり歩く水の秋

天気図に白いコスモス押し寄せる

水平線みえる城山いわし雲

海からの風のもつれを梳く芒

観音の思はれづかれ萩の風

水よりも淡き血縁秋黴雨

癖のあるひらがな釣瓶落しかな

列車来るまでは秋思と戯れり

さやうなら月を待たせてをりまして

星月夜足裏掬はれさうになる

少し手を伸ばして届く天の川

白桃の産毛さはさは砂時計

 

手毬唄

山本菫

探梅の帰りの無口はなやげる

靴下であがる茶房の立雛

鳥の胸しなひて桜また散らす

髪切つて麦秋の畦ひとまたぎ

螢火にゆび触れてより闇荒ぶ

灯点りて達者に替はる祭笛

行々子もう引つ込みのつかぬ声

いつよりの森番なるか蛇苺

蝲蛄を見る児こぶしを握りたる

瞬かぬ惑星あまた夜干梅

カステラの舌にざらつく法師蝉

勾玉に甘撚りの紐秋はじめ

号令で日暮れ来さうな大花野

秋蝶の谷戸深ければ朽葉色

穂芒に手招きさるる覚えなく

夕空は椋鳥の意のまま発車ベル

他愛なく夜に沈めり青蜜柑

水といふ水に青空冬雲雀

花柊香るは影にならぬため

長屋門聞きたきものに手毬唄

 

 


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