2019.10.25 Friday 19:40

紫季語さんぽ

紫季語さんぽ 10月

 

みづからを閉ざせし鏡月あかり 波留美

月天心刃物のにほひよぎりけり 壽賀子

喪の家のあかりと月の照らしあう 美人

やはらかく背鰭をはづす無月かな 加津子

月光に没頭したる月光 富江

 

影が身を離れてゆきし霧の中 十生

霧を帯び水平線の綻びる ちゑ子

山霧を編んで私を繭にする 和美

空耳であろうか霧の走りだす 治子

 

草の花

影だけがまぐはひゐたる草の花 十生

待つことをすんなり受けし草の花 昭子

 

花野

思考力高める椅子を置く花野 澄子

肝心な話は避けてゐる花野 宣代


秋の空

秋天やくよくよしても爪伸びる せつ

秋高し空に密室自由席 友光

秋空に包囲されてる発射台 明子

 

天高し

目標は無理しないこと天高し 志津子

物生さぬままの十指や天高し 波留美

天高し上げたボールは落ちてくる 美智子

天高しここより入る獣道 ときみ

天高し人間相手辞めてみる 忍

 

靡かせて茎凛然として芒 浮葉

芒の穂雲をほぐして風を呼ぶ かほる

あるがまま生きて芒となりにけり 都詩

 

明月や光と影の鬩ぎあひ 良江

満月についてくるなと言ってある 加津子

モノクロのなんと饒舌月今宵 智恵

月白や会はねばならぬ人の数 雅人

煩悩は人の血肉か月天心 徳美


鰯雲

今答えださずとも良し鰯雲 都

体内に海の満ち来る鰯雲 留美子

一湾にみすかされたる鰯雲

 

露の玉唯一無二となる修業 まさる

白露の身に海鳴りの揺れ止まず 明未

 

コスモス

なるようになるさコスモス揺れるから まさる

一面のコスモス畑風立てり 史子

コスモスや海風を知らない体 裕美

コスモスの風となるまで搖らぎゐる ふさ江

秋桜遠くの富士を揺らしをり 留美子

 

鹿

鹿の声呑み込みながら潮満つる 靖子

 

秋の・・・

人間は強くて弱し秋深む 亜紀彦

与太の秋いのちの根っこ生まれたり 晴美

山頭火忌まだ空いたまま裏の家 陽子

秋風に磨きをかけるバイオリン 壽賀子

秋雨の音なき音に目覚めをり ふさ江

 

いのこづち

殿をつとめてをりぬゐのこづち 姜子

 

月と話す昼は静かに家に居て 則子

十六夜の糸が一本切れている 忍

明月や橋の真ん中まで歩く 洋子

月天心うみのおさかなよくねむる 和美

月の夜私の影をおくところ 敏子

 

小鳥来る

小鳥来るひとりぼっちといふ至福 ときみ

 

夜長

饅頭の割られて乾く夜長かな 裕美

長き夜や伸びた分だけ爪を切る 一美

音いつもどこかに生まる夜長かな 美代子

淋しさが押し寄せてくる夜長かな 政子

 

澄む

水澄や我を見てゐるもうひとり 明未

 

花すすき風を解体してゐたる 富江

ひとときを芒のやうになびくなり 久子

揺れぬ芒原広がる無声映画 葦

乳母車芒の波に沈みたる 麻奈

 

紙漉

まだ重き水の変身紙を漉く 珠江

白濁の水を漉きつつ紙とせり 千鶴

 

「紫」2018年1月号(No.884)より

 

 

 

 

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