2020.02.10 Monday 15:11

「紫」2020年2月号・2

「紫」2020年2月号

大道無門(「紫」2月号抄 ベスト5&佳句)    

山崎十生 選・評
 

露の玉収まりきれず歪みたる     若山一美(山紫集) 

 「露」は、単に儚さを象徴するだけではなく、

あらゆる角度から一句を授けてくれるエネルギーがある。 

小さな小さな露には、はち切れんばかりのエネルギーが宿っている。

露と言っても完璧な球形ではない。内に秘められてたエネルギーが

歪みを加えているのである。

 

白露はほぼサイレントマジョリティー 大滝徳美(無門集)     

 サイレントマジョリティーとは、欅坂46というグループの歌でもある。

ここでは、本来の意味は「物言わぬ多数派」ということである。

白露を、そのように見立てたのは、凄い閃きである。

考えてみれば、俳句も、そういうことが言えるのではないであろうか。

佳汁。

 

霜柱カンフル注射打っていた     浅野都(無門集)

 

夜な夜なの秋思に飽きてストレッチ  金子和美(山紫集)

 

冬銀河いつもの道を逆まはり     伊藤伯子(山紫集)

 


               * * *

 

龍門集

懐の奥は深いぞ憂国忌          森壽賀子

 

無門集

吊されて喜色満面たうがらし       高橋姜子

被災地の悲鳴を知らでななかまど     村木友光

先頭をゆくのは苦手冬銀河        山加津子

有漏路あり無漏路ありけり露の玉     依田壽子

間夜を取り持ってゐる冬の霧       渡辺智恵

霜の葉のくれなゐまだら憂国忌      新井富江

吊したり積んだり山家の冬仕度      折原野歩留

それぞれの黙の賑はひ枯蓮        かみのみずほ

伸び代は大事にしやう秋闌ける      木村成美

暗がりから呼び止む声や金木犀      後藤宣代

 

山紫集

償ひのつもりであるかに秋日和      吉野日出美

曲想は遂に天から木の実降る       上田洋子

千年の転居通知や神の留守        内田幸彦

トルソーの息吹き確かに飽きふかむ    大塚美代子

ポケットに飴玉一箇秋うらら       小眄子

しぐれをり熟睡できる北枕        久下晴美

秋深し行き交ふ人の無表情        下田純子

白鳥はなんらかの鍵にぎってる      白戸麻奈

求め合ひながら散りゆく紅葉かな     鈴木千鶴

いつも同じ返事や秋の暮         田邊則子

甦るものも眠らせ枯れ果てる       土田淳孝

秋深し妣のいさうな奥座敷        西本明未

比良男忌の大きな窓の大きな樹      宮城留美子

 

新星集

これ程の快楽はない大枯野        宮澤順子

強要であってはならぬ霜柱        一井千恵子

振り向けば顔なきマネキンそぞろ寒    辻野喜久

 

(「紫」2020年2月号・NO.909号より)

 

 

 

 

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