2020.06.26 Friday 11:09

「紫」2020年6月号・2

「紫」2020年6月号

大道無門(「紫」6月号抄 ベスト5&佳句)    

山崎十生 選・評
 

腹筋を使ってをりぬ蘆の角    鈴木紀子(龍門集) 

 本来なら腹筋を使っているのは人間で、窓外に蘆の角

が見えるというのが常套手段である。しかし、それでは

詩としてのパワーがない。ここは、むしろ葦そのものが

腹筋を鍛えて芽を伸ばしてゆくと捉えた方が、詩としての

次元が高くなるし幅も奥行きも増える。

 

QRコード陽炎の集合体      渡辺智恵(無門集)     

 

際立ちしこととて無きが下萌ゆる   村木友光(無門集)

 特に目だったところはないが、芯はしっかりとしている

人間は多い。「人は見かけによらぬもの」という成語が

あるように、内に秘めたパワーというものは予想を遙かに超えて

驚くほどである。粘りこく前進することが肝要である。

努力してこそ結果がついてくる。

 

バスの中マスクがマスク監視する   石割ふじ子(山紫集)

 

風任せ割れて開眼シャボン玉     宮澤順子(新星集)

 


               * * *

 

龍門集

何もないなんにもないが春岬   渡辺まさる

遠い日の桜吹雪をあびている   関口晃代

やさしといふ根強さよ白すみれ  若林波留美

冴返るなぞは解けないままがいい 森壽賀子

 

無門集

竜天に登るシースルーエレベーター  盒欣子

花ミモザ水晶体を変えました     福島ときみ

フクシマはいつふくしまに原発忌   村木友光

あちこちに防犯カメラ山笑ふ     山加津子

失敗を経験としてつくしんぼ     山田都詩

追憶を辿るきっかけ桃の花      浅野都

長考は机の上に鎮座せり       新井富江

鬼やらひメトロノームが止まらない  稲葉明日香

どこまでも海は青かりビキニの忌   大滝徳美

揺れながら風をほぐしている柳    後藤宣代

 

山紫集

昂ぶりを抑へられずにゐる雛     猪熊みね子

踏青やまだ火の残る間柄       内田幸彦

蝌蚪泳ぐ体全部をバネとして     小田島洋子

風光る配偶者欄「なし」に○     金子和美

給食と体育が好き卒業す       国田育子

蝌蚪の紐今ある私もしかして     齋院志津子

福耳の僧侶の読経梅開く       嶋野靖子

他愛ない時も粮なり日向ぼこ     鈴木千鶴

水音に支へられたる芽木立てり    長谷川昭子

春の泥別に嫌いじゃないけれど    藤澤晴美

相槌は同意にあらず黄水仙      梁瀬みちこ

 

新星集

泣き笑ひ繰り返しては土筆伸ぶ    鈴木淑子

春の闇得体の知れぬ笑ひ声      辻野喜久

 

(「紫」2020年6月号・NO.913号より)

 

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「紫の会」

住所       〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33

TEL/FAX   048-251-7923

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( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)

 

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