俳句イン秩父作品募集中!
令和6年5月25日(土)
秩父市市民会館において
「秩父で俳句を作ろう
俳句イン秩父」が開催されます。
当日席題句の他に、現在大会に向けて事前応募句受付中です。
どなたでもご応募いただけます。たくさんの作品をお待ちしています。
作品 2句1組(応募はおひとり様1組のみ)
*住所・氏名・電話番号を明記
投句料 1,000円(作品に同封)
締切 令和6年4月30日(火)必着
宛先 〒368-0044 埼玉県秩父市本町2−2
「俳句イン秩父」事務局
*昼食・お茶をご用意します。
投句用紙に出欠をご記入ください。
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二日曜日/浦和パルコ
(市民活動センター or コミュニティセンター)
(JR浦和駅東口)
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 4月13日(土)予定 曜日注意
会場 浦和パルコ10階 第12集会室
3月定例会
主宰作品
求道には程遠けれど陽炎へり 十生
山崎十生主宰選
天 春一番カラーコンタクトの抵抗 摩耶
地 三月十日リポビタンをもう一本 ときみ
人 小春日や背中合はせの仲直り 順
秀逸
沈丁花をんなの部屋に遺影あり のぞみ
ありきたりの謝辞繰り返す余寒かな 宣代
かげろふが身をよぢりては守るもの まさる
渡辺まさる編集長選
天 三月十日リポビタンをもう一本 ときみ
地 陽炎の奥ちらちらと陰陽師 喜久
2024年3月10日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第38回 埼玉現俳句会
3/12(火)AM8:00 句会オープン・投句開始
3/15(金)PM23:00 投句締め切り・選句開始
3/20(水)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
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紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は4月7日(日)
*新型コロナ感染状況等により変更もあります
主宰作品
節榑(ふしくれ)の氷柱が売りの館かな
山?十生主宰選
天 朗読と音読の差雪解川 淑子
地 身を以って濡れ衣晴らすしゃぼん玉 千鶴
人 瓦礫の山にわずかばかりの雪 葦
秀逸
春宵の見届けたいものがある 邦子
木瓜の花やがておつりは死語になる 邦子
春うらら攻めていたのに攻めを負う 都
渡辺まさる編集長選
天 陽炎はそもそも自傷行為かな 十生
地 春宵の見届けたいものがある 邦子
(20242.4)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>「紫」2024年3月号 大道無門
(「紫」3月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
心音を土に馴染ませ冬眠す 西本明未(無門集)
悔いが残っている枯葉はないのか 宮澤順子(山紫集)
着想が肝要だと先師関口比良男は常常説いていた。着想が悪ければ、その作品が幾ら技術的に万全であっても着想の度合いで評価は下がってしまう。着想が10であって表現が伴えば評価は10になる。着想という点でも掲句は群を抜いている。悔いなく枯れる祈りの句。
目を瞠るほどの凛々しさ霜柱 鈴木千鶴(無門集)
二三羽でよかろうものを子連れ鴨 村木友好(無門集)
鴨の多くは、六、七羽で連なっているのをテレビの画面や湖沼などで見かける。掲句の上五、中七の措辞からすると日本の家族構成の変遷と重ね合わせてみることが出来る。今日では、ひとりっ子の家が多い。また核家族化の傾向が強くなって来ているから余計だ。
開戦日戦後生まれの家族です 高橋晴美(山紫集)
* * *
龍門集
ブランデー紅茶に振ってレノンの忌 渡辺まさる
無門集
波音がきこえなくなる冬銀河 かみのみずほ
言い分けをマスクの中で考える 木村成美
冬銀河ひとりづつしか渡れない 久下晴美
潔く散ったわけではない木の葉 後藤宣代
その駅から乗って来た凍えるコート 小林邦子
雪吊りの目移りしたる空模様 斉藤順
出刃を手に捌く太刀魚一メートル 島田良江
とめどなき落葉ボランティアの無言 ?橋姜子
冬花火シャンパングラスに閉じ込める 福島ときみ
福達磨きちんと生きてちゃんと死ぬ 藤澤晴美
寒波来て祈りたくなる筆ばかり 依田壽子
山紫集
ふくよかな尻もちの跡だいこ引き 山口洋子
極月の階段やけに急である 吉野日出美
信じたいものだけ信じ山眠る 若山一美
掌に蜜柑ひとつの重さかな 石割ふじ子
ひもじいと聞こゆることも虎落笛 内田幸彦
冬眠の気配きはまる切通し 大塚美代子
目つむれば何時でも会へる式部の実 小高政子
咳抑え瞬きこらえ審判服 齋院志津子
どんな事件にも前夜あり雪積もる 篠原葦
冬眠は音の届かぬ深さまで 島野靖子
大枯野枯れねば出来ぬ事もある 清水たまき
空回りするは覚悟の竜の玉 原田寿美
落葉踏む音は音無きより淋し 深沢ふさ江
冬木立完全武装乳母車 望月のぞみ
新星集
数へ日の三分長し砂時計 山本美恵子
(「紫」2024年3月号・NO.958号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>紫3月号は発送済みです。
配送業者の変更により遅延が出ています。
まだお手元に届いていない方はもうしばらくお待ちください。
]]>龍門集より
星辰3 山?十生
空っぽも大切なこと大枯野
日が暮れて半人前の雪だるま
裸木に弾痕空が蒼すぎる
露の玉 渡辺まさる
ザブンザブン心に寄する冬の波
レモン齧って地球をぐるり歩く
?無月 森壽賀子
忘れたいのに忘れられない十二月
最後まで力を抜かぬ枯蓮
(「紫」2024年3月号・NO.958号より)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
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*新型コロナの感染状況等によっては変更もあります。
事前にご確認下さい。
3月 2日(土) 土曜句会* 松山市民活動センター 午前9時
3月 3日(日) 紫川口句会* 川口市立西公民館 午後1時
3月 5日(火) 万年青の会 川口市立前川南公民館 午後1時半
3月 6日(水) 秩父むらさきの会* 秩父宮記念市民会館 午後1時・自主句会
3月10日(日) 紫さいたま句会* 浦和パルコ10階 午後1時
注・先月から会場が変更になっています
3月11日(月) さくら草句会* 浦和パルコ10階 午後1時
3月15日(金) 牧の会 さいたま市立尾間木公民館 午後1時 ・自主句会
3月16日(土) ミューズ* 川口市立西公民館 午後1時
・曜日、会場注意
3月19日(火) 句楽会* 川口市立西公民館 午後1時
3月24日(日) むらさき西句会* 川口市立西公民館 午前9時
他(通信句会など)
紫通信句会* 3月5日(火)〆切 作品4句 兼題「十」
・兼題は自由参加
虹の会 3月15日〆切(通信添削講座)
しらゆり俳句会* 随時(通信添削講座)
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
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🟣2021年、2022年、2023年/7月号🟣
○龍門集より○
花冷や梵鐘を撞く修行僧
葉桜の下でこそ道展けたり
湖の水が桜になってゆく …山?十生
さくら散る残心といふ見えぬもの
また来ますきっと来ますと散る桜
音のなき時間空間桜散る …渡辺まさる
マンネリといえど永遠花吹雪
飛花落花やっておかねばならぬこと…鈴木紀子
咲き急ぐさくらさきたま幸くあれ
蘂すでに地と語らふさくらかな …若林波留美
手と手と手はなさないでね花筏
一芸に徹してゐたる花吹雪
筋書きは空白のまま飛花落花 …森壽賀子
○行雲流水より○
死は死んでみねば分らぬ初桜…深沢ふさ江
さくらさくら能書なんて後回し…久下晴美
花は葉に比良男遠のくばかりなり…折原野歩留
落日に沈み切れない桜道…清水たまき
ドーパミン増やす桜の好感度…国田育子
成長の証の「さよなら」花は葉に…山田都詩
花時雨ライオン像もマスクして…原博子
工房に轆轤の音や花は葉に…土田淳孝
○大道無門より○
花筏何かを加え動き出す…桝村節子
十分に迷ひ桜に戻りけり…鈴木紀子
散り尽くす花は大地を信じつつ…浅野都
雀ぐらいいてほしい空桜咲く…篠原葦
花冷や今日から使う血圧計…?橋姜子
風に組み風が舵とる花筏…かみのみずほ
サイフォンで淹れる珈琲花曇…藤澤晴美
花吹雪上手に力抜けました…渡辺智恵
沈黙は賛成花の枝分れ…宮澤順子
…………☆…………☆…………☆……………
さて、今年は春が早足です。季節はずれの暖かさとか、春一番とか…。きっと桜前線も早いに違いありません。そこで2021年、2022年、2023年の7月号の中から、桜の季語の句たちたちをまとめて見つけました〜❣️
初桜から花筏、桜蘂etc…。今年はどんな桜、そしてどんな名句と出会えるのでしょう。今から、楽しみです〜☆ 蘭丸筆🖌️
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「紫」2024年2月号 大道無門
(「紫」2月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
壁といふ奈落に天が高すぎる 渡辺智恵(無門集)
考えても出ない結論花すすき 木村成美(無門集)
人間として生まれたことに感謝したい。他の生物であったとしたら、いつも身の危険に曝されていなければならない。そして、人間は特別な智恵を授かっている脳を持っている。これが悩みに繋がってゆく。結論を出せない自身を芒は焦ったくも思っている。
移ろふこと移ろはぬことゐのこづち 藤澤晴美(無門集)
拗ね言も甘え垂れるも名草枯る 村木友光(無門集)
雪吊りのどの結び目も懈怠なし 鈴木千鶴(山紫集)
* * *
龍門集
転がって一旗あげる露の玉 渡辺まさる
無門集
定まらぬままの輪郭蓮は実に 浅野都
泡立草いまが盛りの孤独かな 岩切雅人
凩に今を生きよと諭さるる 大滝徳美
親社長息子専務の夜業かな 折原野歩留
流星しきり切り岸に立つ牝鹿 後藤宣代
願ってもない褒め言葉冬薔薇 斉藤順
天高し棄てられぬもの棄てに行く 早乙女文子
しぼり出す絵具鮮やか秋惜しむ ?橋姜子
澄みすぎて息もてあます秋の空 西本明未
手を広げ空を飛ぶ夢黄落期 細井美人
寄る風を避けるも追うもなく芒 宮城留美子
山紫集
ポリシーは木の実を避けて歩く事 吉野日出美
なるほどねクスリはリスク天高し 若山一美
木枯らしや原発支ふ活断層 内田幸彦
天高し帰るところのない私 金子和美
意地のようなもの見せながら色葉散る 国田育子
実南天いいこと一つあればいい 齋院志津子
トンネルを抜け見開きとなる山燃ゆる 篠原葦
淋しいを言葉にすれば小鳥来る 清水たまき
道元忌父の名付けし名は道子 鈴木浮葉
バス停の熊の行く先帰る先 鈴木淑子
するとどうだろう血がにじんだ雪見 宮澤順子
新星集
いい人は身近にいるぞ寒鴉 神野夢彦
新松子坂道ダッシュ二十回 瀬山嘉子
霜柱石筍になりたくて背のび 保坂洋子
己が音聞きたく落つる木の実かな 松原明子
(「紫」2024年2月号・NO.957号より)
Photo by Fu
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二日曜日/浦和パルコ
(市民活動センター or コミュニティセンター)
(JR浦和駅東口)
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 3月10日(日)予定
・先月から会場、開催曜日ともに変更になりました。ご注意ください。
1月定例会
主宰作品
ときをりは脱力すべし雪解川 十生
山崎十生主宰選
天 そこから抜け出すには朧しかない 順子
地 梅園の崖っぷちまで海だった 葦
人 苗札は気まずい状況を打開 順子
秀逸
意味なんてないのが意味だしゃぼん玉 順子
虎落笛明日は今日の俺でない まさる
器にも命ありけり桃の花 珠江
渡辺まさる編集長選
天 そこから抜け出すには朧しかない 順子
地 梅園の崖っぷちまで海だった 葦
2024年2月11日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>龍門集より
星辰2 山?十生
それとなく力まず力む霜柱
凩と昵懇(じっこん)になる塞の神
龍淵に潜む波紋の拡がれり
露の玉 渡辺まさる
転がって一旗あげる露の玉
朝風が真っ白にする薄原
?無月 森壽賀子
言霊のいっぱいつまってゐる木の実
?渡し終へたる後の疼きかな
(「紫」2024年2月号・NO.957号より)
Photo by Fu
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
]]>
紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は3月3日(日)
*新型コロナ感染状況等により変更もあります
主宰作品
余談だが恋のことなど冴返る 十生
山?十生主宰選
天 一番の問題点を凧にする 順子
地 ふりだしに戻ればいいさかいつぶり 政子
人 荒川を絹ごししたる寒月光 葦
秀逸
綿棒が春待つごとく並び居り たまき
大いなる雑談力や日向ぼこ 智恵
戦勝などこの世にはなし揚雲雀 たまき
渡辺まさる編集長選
天 太く生きよと初夢に諭される 伊津子
地 一番の問題点を凧にする 順子
(20242.4)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第37回 埼玉現俳句会
2/12(月)AM8:00 句会オープン・投句開始
2/15(木)PM23:00 投句締め切り・選句開始
2/20(火)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>受賞者のみなさんおめでとうございます。
星雲賞「滑稽な悲しみ」 金子和美
優秀賞「うからの里」 土田淳孝
「確立」 宮澤順子
秀逸賞「赤いワンピース」新井史子
星雲賞受賞作品
「滑稽な悲しみ」 金子和美
さびしがる権利かまきり生まれる
とんぼうの翅に指紋をつけました
青田波いつか泣かなくなった母
星ひとつ海月が秘密にしてた恋
鳥渡る星座に沿ってゆけばいい
込み入った事情で蔦になりました
無責任に慰められて水羊羹
絵日記に少しの嘘やところてん
生き延びて玄孫生まれるヒロシマ忌
シロナガスクジラ朝焼痛いほど
蚊のとまる末期の父のふくらはぎ
のどけしや円空仏の三頭身
何度でもおんなじ話おぼろ月
羊水に浸かってました泳げます
微力とは無力ではなしかたつむり
]]>
🟣2023年1月号 第四十四回星雲賞特集🟣
今年も新しい年が始まりました。楽しい句、心が振るえる句…いろんな作品に出会うのを楽しみにしています。どうぞ、よろしくお願いいたします🤗
さて、一月と言えば、紫では毎年『星雲賞』の表彰式&新春句会が開催されます。そこで、今回は去年の星雲賞を、み〜つけた♪です。
………………*……*……*…………………
⭕️星雲賞「タイマーが鳴る」 宮城留美子
すすき折るまず変身の手はじめに
体液に混じる青田の匂いかな
納得と言えど白濁砂糖水
ねずみ花火くるくる闇を追うビート
死ぬまでの生き活茄子の苗植えて
水打ちて私の今日を確かめる
クロッカス植えて新し椅子とする
万緑にストンと落ちし円周率
夕焼けのたらたらと泣く武甲山
レース編む何かに辿り着くために
神さまの配役わたしは向日葵
空蝉のぶんまで息をして見てる
水の気分木地の気分に紙を漉く
いつの間に天の高さよ塩せんべい
虹消ゆるタイマーが鳴る炊飯器
⭕️優秀賞「季の様相」 鈴木千鶴
梅花藻を育てるために水清む
その薔薇の切れの良さには敵わない
大雑把も美点や天の高きこと
⭕️優秀賞「夕焼」 金子和美
ゆがみながらここまで来た夕焼
蝶蝶の標本圧倒的無言
ひんやりと鋏の音や八月来
⭕️優秀賞「夏の秘密」 山根摩耶
夏草や地中の秘密立ち上る
姪の恋西瓜は細い三角形
昼顔や気づかぬふりが最善策
⭕️秀逸賞「千の愛しみ」 新井史子
堂守の水屋に浮かす紅椿
冴返る衣剥がれし仁王像
⭕️秀逸賞「ただまっすぐに」 鈴木淑子
こうなればただまっすぐに青田道
イヤな噂あたふたせずに障子貼る
⭕️秀逸賞「二〇二二夏」 上田洋子
常に打つスマイルマーク木下闇
生い立ちと切っても切れぬ雲の峰
⭕️秀逸賞「始まりは真夜」 齋院志津子
泡立草時にはそっと引くことも
萩の風昨日の僕はもういない
⭕️秀逸賞「被爆の樹」 福島ときみ
夜の雷はげし地球の叫びなり
朝顔の白の五弁に気負ひなし
…………☆…………☆…………☆……………
さて、さて。
今年の表彰式も無事終了しましたので、次は今年の夏!の〆切に向けて、新たな作品をドシドシ応募してくださいませ〜🤗 蘭丸 筆🖌️
]]>
当日は午後から雨や雪の予報も出るお日柄でしたが、出席者・欠席投句合わせて120句が勢揃いの盛会となりました。
また当日は併せて第45回星雲賞授賞式も行われました。
今年一年間の皆様の御健康と御健吟をお祈り申し上げます。
主宰・編集長作品
身を正すには相応しき細雪 十生
雪女郎ほんのり化粧しています まさる
山崎十生主宰選
天 力抜く全て抜ければ雪が降る 久子
地 日脚伸ぶ何んとか目鼻ついてきた 宣代
人 平凡を装ふ非凡冬茜 智恵
秀逸
冬山の動じぬ黙を言という 留美子
真面目さの際立って際立ってゐる鏡餅 邦子
三人は一人と二人今朝の春 摩耶
ごめんねと言える力の竜の玉 友光
渡辺まさる編集長選
天 我という一番の謎初鏡 弘子
地 煮凝りのきらめきへ母還しけり 野歩留
人 トントンと菜を刻む音淑気充つ 洋子Y
(さいたま句会 2024.1.20)
星雲賞受賞者と
主宰をはじめ選者のみなさん
当日参加のみなさん
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二日曜日/浦和パルコ
市民活動センター or コミュニティセンター
(JR浦和駅東口)
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 2月11日(日)予定
・2月から会場、開催曜日ともに変更になりました。ご注意ください。
1月定例会
主宰作品
灯明の震へ止まざり鏡餅 十生
山崎十生主宰選
天 軒つらら断ち切る前の一思ひ 都
地 玻璃めきし冬青空の扉かな 智恵
人 初鏡こんなところにある黒子 晴美
秀逸
浮き沈みあるを承知のかいつぶり 政子
餅花の縺れさうなる揺れ具合 友光
気候変動地殻変動寒卵 智恵
渡辺まさる編集長選
天 極彩の独楽が素顔に戻りけり 十生
地 西と言えば東と言うのか霙 晴美
2024年1月13日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>
作品 3句1組(何組でも応募可)
*未発表作品に限る
締切 2024年2月10日(土)必着
応募 所定の用紙または原稿用紙に、
作品・住所・氏名・電話番号を明記
投句料 1組につき2千円(現金書留または郵便小為替)
*必ず作品と同封のこと
宛先 応募は締め切られました
発表 2024年4月28日(日)
紫全国俳句大会席上
顕彰 賞状・記念品
入賞1〜20位程度
主宰・編集長 特選賞
*どなたでも応募できます。ふるってご応募ください。
お問合せ 紫の会
]]>
紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は2月4日(日)
*新型コロナ感染状況により変更もあります
主宰作品
冬草の己の影を力とす 十生
山?十生主宰選
天 湯湯婆に足のせしまま逝きしとか ふさ江
地 雪催い振り子時計の息遣い 和美
人 初みくじ始めなければ進めない たまき
秀逸
ため息は思はぬ深さ裸の木 一美
とどのつまりここが一番雪しんしん 淑子
果し状めいて枯葉の飛んで来る 智恵
渡辺まさる編集長選
天 元旦の空を蝶番が飛んだ 順子
地 浮寝鳥無性に軽くなりました 文子
(川口句会 2024.1.7)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>「紫」2024年1月号 大道無門
(「紫」1月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
らふそくの揺れとシンクロ虫時雨 辻野喜久(新星集)
「シンクロ」と言えば、近頃はシンクロナイズドスイミングと理解してしまうほど社会には浸透している。ろうそくの炎の揺れと虫時雨はお互いに刺激し合いつつ和している。見えるものと見えないもののシンクロナイズ本来の意味を表徴している見事な作品。
中指を一本立てて秋を呼ぶ 渡辺まさる(龍門集)
〈中指を一本〉と言えば、右手か左手かのどちらかである。大概が利き手であろう。〈一本〉と言わなくとも二本ある訳ではないのだから敢えて〈一本〉としたのは、中指の強調以外の何ものでもない。令和五年の猛暑から解放されたいと秋を待ち望んでいるのだ。
締めつけてゐたのは自身たうがらし 浅野都(無門集)
まだ少し話足りない夜半の秋 久下晴美(無門集)
雪隠に秋の蚊勝てる気がしない 金子和美(山紫集)
* * *
龍門集
さざなみを敷きつめるかな十三夜 森壽賀子
無門集
ひとすじと云うも人生蓼紅葉 依田壽子
言葉など意味のないこと流れ星 渡辺智恵
吾亦紅肌に冷たきネックレス 新井史子
降りしきる木の実あの人どうしたか 大滝徳美
秋高し終点のなき観覧車 折原野歩留
長き夜は動画とおしゃべりそれもいい 木村茂美
秋風や傷は癒えてるのにしみる 後藤宣代
身に入むや膝っ小僧の絆創膏 斉藤順
山折りに便りしたたむ夜の長さ 早乙女文子
二冊目のお薬手帳秋深し 島田良江
小鳥来る今日は新聞休刊日 ?橋姜子
星月夜履かぬ鼻緒の朱のうつろ 福井ちゑ子
遅刻した言ひ訳は満月のせい 福島ときみ
そんなことさておきシャインマスカット 宮城留美子
山紫集
紅白で気負ひ合うてる彼岸花 森田重子
女子校の制服着たる案山子かな 安井三緒
指先にわづかな惑ひ菜を間引く 大塚美代子
真実は一つ楢樫櫟の実 神尾久雄
印刷業から解体業へ鰯雲 国田育子
水音の澄みどこまでも歩けさう 嶋野靖子
草の実をつけ挨拶の長くなる 清水たまき
沈む陽を見下ろす月を見上げてる 鈴木淑子
秩父発貨車淡淡と芒原 ?橋敏子
唐辛子食み出すことにいる勇気 土田淳孝
さまたげぬ距離に佇み虫の声 桝村節子
生きてゆく戦柚子の実の凹凸 宮澤順子
(「紫」2023年1月号・NO.956号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>龍門集より
星辰 山?十生
肝心な処は見えず天高し
鴻巣の花火でも空汚すのだ
海いつも体を張って月を出す
秋を呼ぶ 渡辺まさる
天高し陸上選手のへそのぞく
月光が明るく昔呼んでいる
創世記 森壽賀子
その先は誰も知らない鰯雲
道づれをさがしてゐます虫時雨
(「紫」2024年1月号・NO.956号より)
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🔹日時 令和6年1月20日(土)
午前11時 受付開始
🔹会場 川口総合文化センター・リリア11階大会議室(JR川口駅西口)
🔹当日参加費 千円(軽食・お茶付)
🔹日程 星雲賞授与・新春句会
🔹投句 事前投句2句(投句料千円同封)
*欠席投句の方は94円切手貼付の返信用封筒を同封
注・出席の方も事前投句が必要です
🔹締切 1月13日
🔹宛先 〒334-0015 川口市鳩ヶ谷緑町2−13−11−20
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甲辰
令和も6年目となりました。十干十二支では甲辰にあたります。いわゆる辰年です。十二支は全て動物ですが、辰は龍とされ、唯一架空の動物となっています。昇竜とかも言われていて、縁起の良い年です。まさにおめでたい年とも言えます。「紫」の会員諸氏、俳句に関わる方方と共に新年のお慶びを申し上げる次第です。
「紫」は本年創立以来83周年を迎えます。新型コロナウイルスの拡大と共に記念祝賀会も見送りになりました。まだまだ安全とは言えない状況ですので、あと2年後の創立85年を目途に準備を進めたいと考えております。
私も来月で77歳を迎えます。先のことよりも「今」を大事に俳句活動をしてゆきたく存じます。先師関口比良男の後継主宰として25年目になります。この辺で自由に文化活動をさせていただけたらと思います。彩の国ベガ俳句大会や彩の国秩父俳句大会は、初期の目的が達せられたこともあり、新しく彩の国俳句を作る会を立ち上げさせて頂きました。本年は「彩の国イン秩父」と銘打ってイベントを開催いたします。5月25日(土)と決定しております。皆様のご協力をお願いいたします。
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*新型コロナの感染状況によっては変更もあります。
事前にご確認下さい。
1月 7日(日) 紫川口句会* 川口市立西公民館 午後1時
1月 8日(月) さくら草句会* 浦和パルコ10階 午後1時
1月 9日(火) 万年青の会 川口市立前川南公民館 午後1時半
1月10日(水) 秩父むらさきの会* 秩父宮記念市民会館 午後1時
1月13日(土) 紫さいたま句会* 浦和パルコ9階 午後1時
注・今月から会場が変更になっています
1月14日(日) ミューズ* 川口市立幸栄公民館 午後1時
1月17日(水) 句楽会* 川口市立西公民館 午後1時
1月19日(金) 牧の会 さいたま市立尾間木公民館 午後1時
1月20日(土) 紫新春句会 川口総合文化センター リリア11階大会議室 午前11時受付
注・事前投句(2句 1月13日〆切)が必要です
1月28日(日) むらさき西句会* 川口市立西公民館 午前9時
他(通信句会など)
紫通信句会* 1月5日(火)締切 作品4句 兼題「福」
注・作品数が変更になっています。兼題は自由参加。
虹の会 12月15日(通信添削講座)
しらゆり俳句会* 随時(通信添削講座)
注・土曜句会* 松山市民活動センター 今月は休会
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
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紫12月号「螺旋階段」
「俳句の向日性」駒木根淳子(「鱗」)より
濁りなきしづくもありぬあぢさゐ忌 渡辺まさる(紫9月号)
俳句では「あぢさゐ忌」は水原秋櫻子忌の別名で、喜雨亭忌や群青忌ともいう。俳句革新に尽力した水原秋櫻子は昭和55年7月17日に88歳で逝去。「濁りなきしづく」に相応しい俳人だった。〈来世また医師にてあらむあぢさゐ忌〉は長男春郎の句である。
ところで7月17日は俳優石原裕次郎の命日でもあり、近年はこちらの紫陽花忌の方が知られる。裕次郎は雨男だったらしいが、紫陽花の花をことのほか好んだので名付けられたという。
対して広島では紫陽花忌といえば6月28日が命日の林芙美子を指すという。三人三様個性的な生涯だったが、いずれも「濁りなきしづく」の人生であったのは間違いない。
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🟣2011年1月号 通巻800号🟣
創刊800号記念特集 自選作品集 より
❶思い出の私の一句
東京に尻向け田草取る青年
[その理由]
受験誌で寺山修司が一席に推してくれ激賞された一句。十九歳で出した句集には寺山修司の一文もある。
❷私の代表作品一句
もう誰もいない地球に望の月
❸俳句への思い
俳句には伝統も革新もない。あるのは王道だけである。これは「良いものは良い」と認める心である。
………山?十生
❶思い出の私の一句
ネオンにももやかかりたる町を行く
[その理由]
常盤中学校文芸作品集『泉』(S34年)に載った句。前年まで教頭が関口先生*。翌年の担任は紫同人吉田?則先生だった。
❷私の代表作品一句
白桃を宇宙全権大使とす
❸俳句への思い
類想類句のない句をめざしているのですが、とても難しい。残された年数でいくつできるだろうか。
………渡辺まさる
*前主宰・関口比良男
❶思い出の私の一句
晴れわたる二千年後のうまごやし
[その理由]
1993年、思いがけず現代俳句大賞を受賞し、初めて全国大会に出席し挨拶させられた思い出深い句です。
❷私の代表作品一句
八月やいっぽんの木に逢ひにゆく
❸俳句への思い
俳句という言語宇宙は底知れぬ魅力があり、常に私を刺激し、生きてゆく心の支えになっている。
………森壽賀子
…………☆…………☆…………☆……………
さて、今回は12年前の『紫』800号記念号を、み〜つけた♪です。「記念すべき800号が、新年号となったことは単なる巡り合わせとは言えないものがあります。宇宙の大きな、そして不思議な力が働いていると思えてなりません。」と主宰が書かれているように、不思議な縁が繋ぐ素敵な俳句との出会いは、倖せを運んで来てくれます〜❣
2023年もあと少し。お体を大切に、良いお年をお迎えくださいませ。 蘭丸 筆🖌️
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「紫」2023年12月号 大道無門
(「紫」12月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
藁塚の棒一本といふ気概 鈴木千鶴(山紫集)
ファスナーの上昇月光の背鰭 宮澤順子(山紫集)
遺品として屈託もなく在るボート 大滝徳美(無門集)
老若男女を問わず、黄泉の世界に旅立たれた方には、何がしかの遺品というものがあるある筈である。身のまわりに付けるものや衣服、金品。しかし、ここではボートであるという。中七の〈屈託もなく〉という形容が遺品という形式張ったものから解放させている。俳句形式ならではの措辞が有効に的に働いている。
今秋風よ青信号を見送りぬ 篠原葦(山紫集)
裾捌き気合ひ抜群風の盆 斉藤順(山紫集)
* * *
龍門集
コスモスや笑顔ばかりでは寂しい 森壽賀子
無門集
風生まれ風生まれつぎ秋桜 村木友光
勝者でも敗者でもある秋の風 依田壽子
白き風来し東京が生まれた日 浅野都
無花果や含み笑ひの似合ふひと 後藤宣代
控へ目に強き自負あり吾亦紅 かみのみずほ
諦めるのか粘るのか法師蝉 小林邦子
削られし武甲山支ふる雲の峰 斎藤久子
切れ味を試す完熟トマト二個 島田良江
淋しくはないと秋草集まれり ?橋姜子
一本に木霊言霊秋の蟬 西本明未
島影は樺太千島昆布干す 福島ときみ
とりかぶと雲ひとつなき 青空 藤澤晴美
山紫集
ふところの深きに遊ぶ虫の声 本宮珠江
奥秩父てふ地名はあらず合歓の花 安井三緒
汗一様時給月給歩合給 山根摩耶
無意識を意識してより長き夜 金子和美
うんうんと目で合図する新酒かな 齋院志津子
老人の老人による敬老会 椎名和夫
我の敵我かも知れぬ小鳥来る 清水たまき
秋風をチンギスハーン連れて来て 下田純子
吹かれては黄菊白菊睦み合ふ 仁村俊子
新星集
芋名月地球は壊れかけてゐる 木村隆夫
上流のその上流へ水の秋 喜久
色即是空蓮の実天を仰いでる 中村規美子
打ち水に個性三軒両隣 松原明子
(「紫」2023年12月号・NO.955号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二土曜日/浦和パルコ
市民活動センター or コミュニティセンター
(JR浦和駅東口)
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 1月13日(土)予定
・会場が変更になっています。ご注意ください。
12月定例会
主宰作品
もてなしのとどのつまりの敷松葉 十生
山崎十生主宰選
天 二、三羽でよかろうものを子連れ鴨 友光
地 潔く散ったわけではない木の葉 宣代
人 ブランデー紅茶に振ってレノンの忌 まさる
秀逸
冬木立完全武装乳母車 のぞみ
冬花火シャンパングラスに閉じ込める ときみ
ダイヤモンドダストは光の萼(うてな) 智恵
渡辺まさる編集長選
天 枕元には梟が何時もゐる 十生
地 清濁を合わせ呑みつつ山眠る 友光
2023年12月9日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
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]]>龍門集より
処理 山?十生
ライバルはいないが案山子勤しめり
さる方に大厄日だと諭さるる
無菌室出てはればれと鰯雲
秋隣 渡辺まさる
秋の波寄せれば何か消えて行く
八月尽キラキラ星が落ちている
秋の暮れ 森壽賀子
さいごまでわたしはわたし草の花
みずからをはげましてゐる秋の風
(「紫」2023年12月号・NO.955号より)
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TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
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紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は1月7日(日)
*新型コロナ感染状況により変更もあります
主宰作品
急襲の風花に身を任せをり 十生
山?十生主宰選
天 悔いが残っている枯れ葉はないのか 順子
地 目を瞠るほどの凛々しさ霜柱 千鶴
人 昴さまお察し通りの下界です 都
秀逸
生き上手は忘れ上手よ大根干す 友光
咳押さえ瞬きこらえ審判服 志津子
本質は変はらずの枯れ猫じゃらし 都
渡辺まさる編集長選
天 ポケットの深きにしまふ帰り花 成美
地 力抜くことを覚えし式部の実 十生
(川口句会 2023.12.3)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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]]>埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第35回 埼玉現俳句会
12/12(火)AM8:00 句会オープン・投句開始
12/15(金)PM23:00 投句締め切り・選句開始
12/20(水)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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2023年11月29日(水)桶川市のさいたま文学館文学ホールにおいて、埼玉県文化団体連合会・文学部会主催の「文芸フェスティバル」が開催されました。第1回の今回は文学部会の中の俳句部が担当し、事前応募の俳句作品の講評と顕彰、俳人の神野紗希(こうのさき)先生による講演会が行われました。
*入賞作品より
神野紗希・選
天 覚えては忘れて帰燕見送りぬ 金子文子
地 付けて外して晩秋の鉤括弧 田中朋子
人 霧の日はあやすのが下手なパパです 小林邦子
折原野歩留・選
(埼玉県俳句連盟会長)
天 曼珠沙華好きな私は奇人かも 湯橋信子
地 ありったけの力尽くせり毒茸 浅野都
人 コスモスは空想描く花ばかり 土田淳孝
杉本青三郎・選
(埼玉県現代俳句協会会長)
天 芒原誰かを呼んでみたかった 藤澤晴美
地 いちめんの露に翼が生えて来る 山?十生
人 好きではないのに夜霧がさうさせる 鈴木千鶴
山?十生・選
(埼玉県文化団体連合会・文学部部会長)
天 向日葵が明るいなんて決めないで 森由美子
地 ひとつくらいいびつな露のありさうな ?橋晴美
人 コスモスの散り際が好き海が好き 田中朋子
*神野紗希先生よりは「俳句の構造 反復性と一回性」と題されたご講演を頂きました。
↓ご講演中の神野先生
「反復性と一回性」とは言い換えると、「繰り返される日々のなかで、今この瞬間を切り取る」こと。俳句はたった17音字で「永遠と瞬間を詠める」希有な文学ということを、多彩な例句や事象を上げて丁寧に、わかりやすくお話しくださいました。
*現在さいたま文学館では企画展「澁澤龍彦の文学世界(ブックコスモス)」を開催中です。12月3日までとなっております。詳しくはこちら
*おまけ
桶川市は俳優本木雅弘さんの出身地とかで、素敵なポスターが掲示してありました
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*新型コロナの感染状況によっては変更もあります。
事前にご確認下さい。
12月 2日(土) 土曜句会* 松山市民活動センター
12月 3日(日) 紫川口句会* 川口市立西公民館 午後1時
12月 5日(火) 万年青の会 川口市立前川南公民館 午後1時半
12月 6日(水) 秩父むらさきの会* 秩父宮記念市民会館 午後1時
12月 9日(土) 紫さいたま句会* 浦和パルコ9階の市民活動センターのD席 午後1時
!注意 会場変更になっています
12月11日(月) さくら草句会* 浦和パルコ10階 午後1時
12月15日(金) 牧の会 さいたま市立尾間木公民館 午後1時(自主句会)
12月16日(土) ミューズ* 川口市立幸栄公民館 午後1時
12月19日(火) 句楽会* 川口市立西公民館 午後1時
12月24日(日) むらさき西句会* 川口市立西公民館 午前9時
他(通信句会など)
紫通信句会* 12月5日(火)締切 作品4句
注・作品数が変更になっています。
紫苑の会・虹の会 12月15日(通信添削講座)
しらゆり俳句会* 随時(通信添削講座)
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
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お気軽にお問合せ下さい。
双手を広げて歓迎いたします。
会費 会員 :月額1500円(俳誌代1000円含む)
購読会員:月額1000円
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
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初心者歓迎。
ご連絡お待ちしています。
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「紫のこと」「支部紹介」「句会予定」も参考になさって下さい。
(古い情報も含まれています。ご注意下さい。)
「紫」HPもご覧下さい。
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「紫」2023年11月号 大道無門
(「紫」11月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
大汗をかいて一皮剥けてゐる 後藤宣代(無門集)
何か自分自身でも納得の出来るような行動をした後なのであろう。まさに「いい汗」を掻いたに違いない一皮剥けたということは、成長の後が窺える。少し大人になったような気がする。それを自分自身が感じていても、他者が感じても良い。とに角、喜ばしい事ではある。
糸口を見つけられずに西瓜食む 鈴木淑子(山紫集)
気まずい雰囲気から解放されることなく座を共にしている。夫婦なのか、それとも親族なのか友人関係か。いずれにしても、話す機会もない状況なのである。早く、そのような状況から、いつものように話をしたいのだが、なかなか切っ掛けが掴めない。今はただ西瓜を喰べているしかない淋しさが伝わって来る。
音立てて動く秒針日の盛り 藤澤晴美(無門集)
薄れゆく板碑の梵字蟬の殻 嶋野靖子(山紫集)
深海に波なし平和祈る夏 篠原葦(山紫集)
* * *
龍門集
エプロンをそっと脱ぎます八月十五日 渡辺まさる
紆余曲折楽しんでゐる稲光 森壽賀子
無門集
目に見えぬ埃を払う広島忌 宮城留美子
意思統一されぬままなり芋嵐 村木友光
精霊蜻蛉群れて売地がまたひとつ 岩切雅人
銀漢にましてぶれなどあらざりし 大滝徳美
蟠りほどけてゆかば水の澄む かみのみずほ
氷あづき掬ひ鬼平犯科帳 久下晴美
捥ぎたての茄子に太陽の質量 小林邦子
原爆忌空に託するものはなし 斉藤順
細胞に水ゆきわたる夏木立 西本明未
山紫集
秋暑し大病院の迷路かな 望月のぞみ
夕涼み人魚のやうに膝崩す 若山一美
まだまだと主役譲らぬ積乱雲 池田惠
腹ぺこになるまで歩く鰯雲 大平寿江
サイダーの淋しさ溶かす音がする 小?政子
大空を満喫ナイトプールかな 神尾久雄
楽器店犇めく街に涼点す 国田育子
穴を出る蟻には蟻の自尊心 清水たまき
空蝉と呼ぶには未だ濡れ身なり 鈴木千鶴
処方箋つまみドトールアイスティー ?橋敏子
終日独りアイスの棒に「あたり」 長島千恵子
旱星何処へ逃れても地球 仁村俊子
正装は神主ひとり海開き 深沢ふさ江
新星集
眠らない眠れないまま牽牛花 池田ゆふ
雲の峰名残り惜しまず立ちあがる ?橋晴美
若楓火より生まれし硝子越し 松原明子
(「紫」2023年11月号・NO.954号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
/サウスピア8階
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 12月9日(土)予定
11月定例会
主宰作品
自由ではないが倖せ富有柿 十生
山崎十生主宰選
天 水音を励みに木の実落ちにけり 智恵
地 今のところ天衣無縫の雪の富士 友光
人 転がって一旗上げる露の玉 まさる
秀逸
流星しきり切り岸に立つ牝鹿 宣代
屈んで見た秋草の新しさ 政子
定まらぬままの輪郭蓮は実に 都
渡辺まさる編集長選
天 凩と昵懇になる塞の神 十生
地 蚯蚓鳴く人間力の高い人 晴美
2023年11月11日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
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令和五年11月29日(水)
桶川市のさいたま文学館において
一般社団法人・埼玉県文化団体連合会の文学部会主催で
「文芸フェスティバル」が開催されます。
当日はテレビ・雑誌等でも活躍中の俳人・神野紗希先生の講演があります。
*入場は無料です。
*入場は事前投句者が優先されますが空きがある場合はどなたでもご観覧いただけます。
(事前投句は締め切られました)
*参加をご希望の方はハガキでお申し込みください。
↓
〒332-0015
川口市川口5-11-33
山?十生
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紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は12月3日(日)
*新型コロナ感染状況により変更もあります
主宰作品
芒みな力を合はあせ靡きけり 十生
山?十生主宰選
天 考えてもでない結論花すすき 成美
地 移ろふこと移ろはぬことゐのこづち 晴美
人 ゆっくりと距離を縮める猫じゃらし 晴美
秀逸
誰も来ぬ電話ボックス鵙の声 一美
トンネル抜け見開きとなる山燃ゆる 葦
天高し棄てられぬもの棄てに行く 文子
渡辺まさる編集長選
天 きっとある自然治癒力寒卵 ふじ子
地 味方にも敵にもならぬ白障子 友光
(川口句会 2023.11.11)
お問合せ:
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( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第34回 埼玉現俳句会
11/12(日)AM8:00 句会オープン・投句開始
11/15(水)PM23:00 投句締め切り・選句開始
11/20(月)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>龍門集より
誕生 山?十生
死は不意にされども寿命秋暑し
秋暑し妹はまだ生まれない
祈願されることも辛いよ扇置く
八月十五日 渡辺まさる
牛乳のパックの中は梅雨の闇
八月はリストカットの夜がある
稲光 森壽賀子
八月や声なき声にみちあふれ
蟬時雨どこか遠くへ行きたくなる
(「紫」2023年11月号・NO.954号より)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
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*新型コロナの感染状況によっては変更もあります。
事前にご確認下さい。
10月28日(土) 土曜句会* 吟行会
11月 1日(水) 秩父むらさきの会* 秩父宮記念市民会館 午後1時
11月 5日(日) 紫川口句会* 川口市立幸栄公民館 午後1時
11月 7日(火) 万年青の会 川口市立前川南公民館 午後1時半
11月11日(土) 紫さいたま句会* 武蔵浦和コミュニティセンターサウスピア 午後1時
11月13日(月) さくら草句会* 浦和パルコ10階 午後1時
11月17日(金) 牧の会 さいたま市立尾間木公民館 午後1時
11月21日(火) 句楽会* 川口市立西公民館 午後1時
11月25日(土) ミューズ* 川口市立幸栄公民館 午後1時
11月26日(日) むらさき西句会* 川口市立西公民館 午前9時
他(通信句会など)
紫苑の会・虹の会 11月15日(通信添削講座)
しらゆり俳句会* 随時(通信添削講座)
紫通信句会* 11月5日(日)締切 作品4句
注・今月より作品数が変更になっています。
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
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「俳句スパイス」掲載写真をお寄せください!
「俳句スパイス」の記事に添える季節の写真を募集します。
*ご自身で撮ったものや撮影者の許可が取れているもの。
*人物や建物が写ったものはプライバシー保護にご留意ください。
*その他一般的な投稿規定に則ってお願いします。
*掲載や時期については「俳句スパイス」に一任ください。
(ごめんなさい、載らないこともあります)
送り先
contact@haiku-murasaki.jp
こちらのアドレスまでメールでお送りください。
掲載用のお名前もお忘れなく。
素敵なお写真お待ちしています。
(桃・葡萄・案山子・西瓜・朝顔などお待ちしています)
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🟣2006年11月号 通巻750号🟣
ずうむゐん紫(「紫」八月号評)より
この鍵はどこの 神野紗希
閨房の最たるものの蜃気楼 山?十生
神様の閨房かもしれない。蜃気楼の中は湿っていて、あたたかくて、何も見えない。朝雲暮雨の故事を思い出すのは蜃気楼の大きさからだろうか。あの閉じられたもやもやは実は眩しい光の塊で、その中では輪郭など消え去ってしまうのかも。
モナリザのうしろの山河萬愚節 澤井益市朗
実際には存在しないと言われている風景の左右段違いの地平の違和感が、小さな嘘をついているときのもぞもぞ感に似ている。萬愚節を色に例えると、まさにあの山河のくすんだ緑だと思った。モナリザの微笑みが少し嫌味に見えて、こちらもついつい苦笑い。
わたし以外みんな寝ている落し文 山?加津子
落し文が巧い。暇だから実際に外に出て落し文を発見したという一人遊びと考えても面白いが、私は感覚的に戴いた。みんな寝てしまって一人取り残されてしまったときのぽっかりした気持ちは、日向に転がっている落し文の孤独に似ている。
この鍵はどこの鍵なの木下闇 長島千恵子
秘密の花園の1ページのようにも思えて、これからのドラマ展開をついつい想像してしまう句。きっと、そのドアを見つけてしまって、扉の向こうには恋のひとつでも待っているのかもしれない。まるで私が鍵を拾ったように困惑し、そしてどきどきしてしまった。木下闇を出て、そのその鍵の錆びていない部分がきらんと光るとき、ドラマは走り出す。
…………☆…………☆…………☆……………
さて、今回は17年前の『紫』750号記念特集号の中に、神野紗希さんの句評を見つけました。取り上げられた句はもちろんですが、紗希さんならではの言葉の表現が見事‼️です。11月29日の「文芸フェスティバル」では、紗希さんの講演が開催されるので、とっても楽しみです〜❣ 蘭丸 筆🖌️
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「紫」2023年10月号 大道無門
(「紫」10月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
見つめつつ見つめられたる青蜥蜴 森壽賀子(龍門集)
いろいろな動物にも言えることであるが、鉢合わせした時に、動物も人間も、それぞれ畏怖感を抱く。その畏怖感が高じて動物が人間を襲うこともある。逆に人間が動物を襲うこともある。掲句の場合だと青蜥蜴と人間の遭遇である。一定の距離を置き向かいあっている。どちらが先に、その場を去るのであろう。
沖縄忌とても賑やかでも静か 渡辺智恵(無門集)
水に生れ睡蓮やがて水を統ぶ 浅野都(無門集)
名案を出しかねてゐる絹扇 辻野喜久(新星集)
丁寧に破綻してゆく二重虹 金子和美(山紫集)
* * *
無門集
吊り革の輪に満月をあてはめる 細井美人
蕎麦ずずず最後万緑ぶっかけて 宮城留美子
香水に触れる電車の揺れ具合 村木友光
手を振れば千の手見ゆる籠枕 依田壽子
捩花や一本筋をとほす人 新井史子
美しく五欲透かせりうすごろも 大滝徳美
人寄せのメロン頻りと香を放つ 後藤宣代
暑を凌ぐアンデスの少女のミイラ 小林邦子
波風を立てぬ気遣ひ夏柳 斎藤久子
梅雨ごもり鉛筆の音櫂の音 西本明未
銘仙の買継ぎ路地や天の川 福島ときみ
山紫集
居酒屋の常連となる夏つばめ 本宮珠江
流木を巧みに捌く土用波 内田幸彦
教会のステンドグラス晩夏光 大塚美代子
花林糖ぽりっサーファーのいない海 齋院志津子
ぎりぎりで逃げる蛙の処世術 椎名和夫
海亀の涙はやがて星になる 嶋野靖子
虹消えて消したき言葉残りけり 清水たまき
犬猫が燃え上がってる扇風機 白戸麻奈
体感のぶれぬ向日葵青い空 長間富貴子
海亀の月を見上ぐるとき泪 仁村俊子
伝説となるは一瞬雲の峰 箱森裕美
隠された無数の無念滴れり 原田寿美
新星集
冷麦でいいよは思いやりならず 池田ゆふ
十薬や歩く人しか来ない道 大須賀道子
みずすまし放つ波紋はピアニシモ 森美知子
三日目にもう散り始む蓮の花 吉田晴夫
(「紫」2023年10月号・NO.953号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
/サウスピア8階
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 11月11日(土)予定
10月定例会
主宰作品
どの馬も天の高きを疑はず 十生
山崎十生主宰選
天 らふそくの揺れとシンクロ虫時雨 喜久
地 指先にわづかな惑ひ菜を間引く 美代子
人 見送りはあの橋の上十三夜 喜久
秀逸
黒猫と螺旋階段十三夜 喜久
秋風や傷は癒えてるのにしみる 宣代
おそまきながら這い上がってきた茸 都
渡辺まさる編集長選
天 流れ星幽かなれども空に傷 智恵
地 肝心な処は見えず天高し 十生
2023年10月14日
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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]]>投句募集のお知らせ
令和五年11月29日(水)
桶川市のさいたま文学館において
一般社団法人・埼玉県文化団体連合会の文学部会主催で
「文芸フェスティバル」が開催されます。
つきましては現在俳句作品を募集しています
*大会当日はテレビ・雑誌等でも活躍中の俳人・神野紗希先生の講演があります。
俳句作品募集
作品 2句一組
応募料 一組につき1000円(作品に同封)
締切 10月20日(金)必着
宛先 締め切りました
*郵便事情にご注意下さい。普通郵便の場合は最低でも水曜日の集配に乗らないと間に合いません。(通常ポスト投函後、集配してもらわないと木曜投函として扱われ配達は翌週になります。お早めの投句をおすすめします。)
賞品 各選者特選賞(天・地・人)
*投句用紙をお持ちでない方は原稿用紙などでの応募も可。
作品2句、住所、氏名、電話番号、大会出欠の有無をご記入下さい。
どなたでも応募できます。
大会の入場は無料ですが、希望多数の場合は投句者が優先されます。
入場のみをご希望の方は人数把握のため事前にお葉書で申し込みください。
↓
〒332-0015
川口市川口5-11-33
山?十生
たくさんの方のご応募をお待ちしています。
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埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第33回 埼玉現俳句会
10/12(木)AM8:00 句会オープン・投句開始
10/15(日)PM23:00 投句締め切り・選句開始
10/20(金)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>第21回埼玉吟行俳句大会はネット句会に変更となりました。
投句締切 10月10日(火)(受付中です)
投句数 2句
*締切間近ですが、吟行大会ですので即吟にトライ!
選句期間 締切後〜10月20日まで
選句数 8句(特選なし)
投句はこちら
・句会名は「俳苦天国」です。
(注・「俳句」でなく「俳苦」です)
*パスワードが必要です。
パスワードは下記、俳句スパイスまでメールでご連絡ください。
↓
contact@haiku-murasaki.jp
*いい季節になって来ました。
表に出るもよし。脳内吟行もよし。
たくさんのご参加をお待ちしています。
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紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は11月5日(日)
*新型コロナ感染状況により変更もあります
主宰作品
息殺し生まれくるもの待つ夜長 十生
山?十生主宰選
天 中指を一本立てて秋を呼ぶ まさる
地 雪隠に秋の蚊勝てる気がしない 和美
人 さまたげぬ距離に佇み虫の声 節子
秀逸
女子高の制服着たる案山子かな 三緒
さざなみを敷きつめるかな十三夜 壽賀子
そのうちにきっと懐しあの猛暑 一美
渡辺まさる編集長選
天 これ以上丸くなれない露の玉 珠江
地 時々は風に休止符打つ花野 みずほ
(川口句会 2023.10.1)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間:返信には時間のかかることがあります)
]]>龍門集より
消夏術 山?十生
冷静になればなるほど汗淋漓
かたつむり近づいて来る長廊下
香水に襲はれてゐるポストかな
梅雨晴間 渡辺まさる
七月の廊下は少し暗くなる
青黴を裏返したらペニシリン
こんとん 森壽賀子
見つめつつ見つめられたる青蜥蜴
本音など語りつくせぬ稲光
(「紫」2023年10月号・NO.953号より)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
contact@haiku-murasaki.jp
( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
]]>
*新型コロナの感染状況によっては変更もあります。
事前にご確認下さい。
10月1日(日) 紫川口句会* 川口市立西公民館 午後1時
10月3日(火) 万年青の会 川口市立前川南公民館 午後1時半
10月4日(水) 秩父むらさきの会* 秩父宮記念市民会館 午後1時
10月7日(土) 土曜句会* 松山市民活動センター 午前9時
10月9日(月) さくら草句会* 浦和パルコ10階 午後1時
10月14日(土) 紫さいたま句会* 武蔵浦和コミュニケーションセンターサウスピア 午後1時
10月18日(水) 句楽会* 川口市立西公民館 午後1時
10月20日(金) 牧の会 さいたま市立尾間木公民館 午後1時
10月21日(土) ミューズ* 川口市立幸栄公民館 午後1時
10月29日(土) むらさき西句会* 川口市立西公民館 午前9時
他(通信句会など)
紫通信句会 10月5日(木)締切 作品5句
紫苑の会・虹の会 10月15日(通信添削講座)
しらゆり俳句会* 随時(通信添削講座)
*のついている句会の指導者は山?十生主宰です
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🟢2019年5月号より🟢
*創刊九〇〇号記念特集*
「紫」の前身である「花野」が、昭和16年10月に創刊されて以来、この号で九〇〇号に達しました。記念特集として、記念作品と「紫」にまつわる雑感ほかが掲載されました。
山?十生
紫陽花に染まらぬやうに服を脱ぐ
ダージリンティー毎日が原発忌
………以前の俳号「山?十死生」から現在の「山?十生」に改号したのが平成十三年の十月。「山?十紫生」も考えたが、それでは、あまりにも即き過ぎる。『紫』を継承して三年程経っていたので気恥ずかしく名告れなかった。
渡辺まさる
紫春期やブギウギわくわくズキズキ
かげろふの一級品のゆれ加減
………「紫」は、昭和十六年「花野」という誌名で創刊された。六十年ほど昔になるが、私が中学生のころ、旧北足立郡の各中学校から優秀な作文詩歌を選抜した年刊の「紫野」があった。比良男先生が関係した誌名だったのだろうか?
森壽賀子
晴れる日も雨の日もある濃紫陽花
落椿只管打坐とはおそろしき
………紫は高貴な色として中国や日本で古くから尊ばれてきた。その染料としてムラサキ草の根が用いられたので、武蔵野に自生していたムラサキ草が租税の対象となり取りつくされ絶滅してしまった。真に心の痛むことである。
さて、それから四年。現在の紫、2023年9月号は九五ニ号。一千号も近づいてきています。そして、春夏秋冬がずっと変わらず巡って、季語に心を通わせて行ける未来でありますように。
蘭丸 筆🖌️
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お気軽にお問合せ下さい。
双手を広げて歓迎いたします。
会費 会員 :月額1500円(俳誌代1000円含む)
購読会員:月額1000円
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
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初心者歓迎。
ご連絡お待ちしています。
当ブログ内カテゴリー(CATEGORY)
右側欄外・下段(ARCHIVES 下方)→
「紫のこと」「支部紹介」「句会予定」も参考になさって下さい。
(古い情報も含まれています。ご注意下さい。)
「紫」HPもご覧下さい。
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紫さいたま句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
/サウスピア8階
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
*次回 10月14日(土)予定
9月定例会
主宰作品
いない人抱擁夜が長過ぎる 十生
山崎十生主宰選
天 遺品とし屈託もなく在るボート 徳美
地 汗一様時給月給歩合給 摩耶
人 この礫放るか握るか秋の声 晴美
秀逸
明け方にコトリと移動水中花 順
その所作はプライドですか星涼し 徳美
淋しくはないと秋草集まれり 姜子
同郷の誼を結ぶ草の露 都
渡辺まさる編集長選
天 風を受け走り出したる芒かな 晴美
地 単純と言へば単純吾亦紅 葦
2023年9月9日
お問合せ:「紫の会」
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◎東京バビロンの地下鉄◎
白戸麻奈句集より
〈自選十句〉
曇天に大地切るよう大根切る
ダリア咲き明日を白紙に戻したる
紅葉踏む少年山中で吠える
冬日和カラカラ乾いた乳母車
切なげに夜の冷蔵庫光りける
ヒリヒリとするほど綺麗サクランボ
かまきりは魔女が私にくれたもの
スパークし聖書で爪とぐ子猫かな
少年の裸のような滝だった
放哉のさびしさ一面に露
一匹のネズミを肩に雪女
◉白戸麻奈にとって、俳句は決して身から離せない詩形である。そのことを充分に理解しているからこそ、白戸麻奈は、命あるもの全てに愛情を注ぎ、真面目に俳句と向き合っているのである。(序・山?十生)
さて、今回は七月十八日に急逝された白戸麻奈さんの句集『東京バビロンの地下鉄』(2018年9月2日ふらんす堂発行)を「みーつけた」です。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
蘭丸 筆🖌️
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紫川口句会
「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は10月1日(日)
*新型コロナ感染状況により変更もあります
主宰作品
さる方に大厄日だと諭さるる 十生
山?十生主宰選
天 虫籠窓の隙間に注ぐ月明り 千鶴
地 無意識を意識してより長き夜 和美
人 ファスナーの上昇月光の背鰭 順子
秀逸
白き風来し東京が生まれた日 都
諦めるのか粘るのか法師蝉 邦子
揃はないままに揃ゐぬ踊りの輪 千鶴
渡辺まさる編集長選
天 さる方に大厄日だと諭さるる 十生
地 となめトンボ答えられない問ひもあり 淑子
(川口句会 2023.9.3)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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]]>埼玉現俳句会(ネット句会)のお知らせ
第32回 埼玉現俳句会
9/12(火)AM8:00 句会オープン・投句開始
9/15(金)PM23:00 投句締め切り・選句開始
9/20(水)PM23:00 選句締め切り・結果発表
3句投句(無季可)・5句選句(特選1句・並選4句)
*埼玉県現代俳句協会の協会員でしたら
どなたでも参加できますのでぜひご参加下さい。
*初めての方は事前に新規登録が必要です。
詳しくはこちら。
*埼玉県現代俳句協会員になるためには
現代俳句協会に入会する必要があります。
入会案内はこちら。
連絡先 *紫発行所・山?十生「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
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]]>「紫」2023年9月号 大道無門
(「紫」9月号抄 ベスト5&佳句) 山?十生 選・評
どこまでも無作といふべき竹の秋 辻野喜久(新星集)
「無作」はムサと読みたい。ムサクと読んでは、この作品が台無しになってしまう。ムサとは仏教語で人為的な力の加わらない自然のままを言う。人間の生き方として「無作」であるべきである。受け止めるべきものは、素直に受け止める姿勢が必要である。季語の「竹の秋」はそういう意味で象徴的である。
某日の儀式めいてる蟻の列 浅野都(無門集)
「某日」は、特定の日を指示している場合と、個人的な拘りの中の時別な日を指示している場合とがある。作者の求めている処は、後者であるような気がする。蟻の行列を見ていると葬列のように思える。黒の喪服のイメージが蟻にはある。それにしても「某日」は心憎いばかりの多様性を秘めた使い方をしている。
ブロンズは未熟超越せしみどり 大滝徳美(無門集)
汗をかく良い汗ばかりと限らない 清水たまき(山紫集)
野望など微塵もあらず草を引く 吉野日出美(山紫集)
* * *
無門集
一本の櫂となるまで青田波 宮城留美子
悪気など無きが厄介栗の花 村木友光
家訓から解放されてみたい汗 依田壽子
麦秋や古代の耳飾りはピアス 渡辺智恵
さくらんぼ細い軸まで愛らしい 新井富江
蛇に道人にも道のあるべかり 岩切雅人
滝落ちて瀞で水面をととのへり かみのみずほ
寡黙にはなれないけれどラムネ玉 木村成美
最初の質問睡蓮の開く音 小林邦子
堂堂と持ち味発揮夏点前 斉藤順
身一つが二つとなりて帰る初夏 鳥海美智子
人もまた自然の一部窓に蠅 西本明未
中空に雲を押し上ぐ大西日 長谷川昭子
山紫集
得ていない時ほど得てる兜虫 宮澤順子
客来れば猫の去りゆく夏座敷 若山一美
蝸牛けぶるさきたま古墳群 内田幸彦
ことさらに美しき声明青葉雨 大塚美代子
どうにでもなれと思ひて汗拭ふ 小?政子
立ち向かふ人の眼差し涼しかり 齋院志津子
核廃絶議論百出若葉風 篠田日織
筍のジャンプしながら背を伸ばす 篠原葦
腹痛の猫を見ている蟇 白戸麻奈
大雑把だが扇情的な金魚 鈴木千鶴
新星集
右ひだり横顔ちがふ青嵐 吉田未知
不揃ひの織りなす調和青田波 池田ゆふ
夏の航城は安堵の道しるべ 稲田のぶ子
右向けば左が見えず梅雨の朝 保坂洋子
(「紫」2023年9月号・NO.952号より)
お問合せ:「紫の会」
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
( 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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]]>龍門集より
選択 山?十生
青水無月妹欲しい家族像
天蓋として相応しき青葉かな
まくなぎに徹底抗戦してゐたり
青時雨 渡辺まさる
沈黙は素敵な会話青時雨
濁りなきしづくもありぬあぢさゐ忌
夢十夜銀河鉄道四葩駅
梅雨茫茫 森壽賀子
けんめいに生き残りたる金魚玉
前途多難それでもすすむ蝸牛
(「紫」2023年9月号・NO.952号より)
お問合せ:
住所 〒332ー0015 川口市川口5ー11ー33
TEL/FAX 048-251-7923
(受付時間 9:30-20:00 時間外の送信はご遠慮下さい)
「俳句スパイス」
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( 24時間受付:返信には時間のかかることがあります)
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